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人民網日本株式会社事業案内  更新時間:08:11 Oct 20 2011

不況時代の東京ライフ

日本の夜の街

 現在、欧米の危機はますます厳しいものとなっている。世界的な株価暴落を受け、欧米主要国の財政に対する信頼性は揺らぐ一方だ。欧米の財政・金融危機は本格化の様相を呈してきた。海外市場に依存する日本では、円の上昇が止まらず、経済は低迷中だ。

 しかし何人かの日本の友人に聞いたところ、日本では今回の危機の影響はまだないと誰もが感じているようだ。1990年前後、バブル経済時期のお祭り騒ぎの生活とくらべれば、現在の日本人の生活はとてもつつましい。多くの日本の友人が、中国の観光客が大量に買い物をしていく様を見て羨ましいと記者に言う。長年にわたる経済の低迷が、日本人の生活を著しく変化させている。物価指数が世界で最も高い都市のひとつである東京では、収入の減少を起因として、人々のライフスタイルがこの数年で大きく変化しているのだ。

 大幅に減少する給与

 長い間、東京のような大都市で仕事をする場合、ブルーカラーやホワイトカラーに関わらず、正社員でありさえすれば収入に大差なかった。しかもその計算方法は極めて容易だ。年齢に1万を掛ければ良い。例えば20歳そこそこの新卒社員の月給は20万円強である。30歳過ぎだったら30万円強で、50歳過ぎだったら50万円強という具合だ。それ以外に、会社の業績にもよるが毎年2~5カ月のボーナスが支給される。家や車が買え、さらには結婚資金を貯められるボーナスがあるから、月給は全部使ってしまってもいいというのが、長年の日本人のライフスタイルだった。

 しかし現在、日本のヤフーやグーグルで「低収入」と検索すると、ブログやツイッター、掲示板などいたるところで自分の収入の低さを嘆く内容が見られる。20歳そこそこの大学を卒業したての者が月収が14万しかないことを嘆き、38歳のホワイトカラーは年収が300万円しかないのを嘆く。40歳過ぎの主婦は、夫の収入がアルバイトで稼ぐ自分の収入より低いことを嘆く…。

 2008年に起きたアメリカでの金融危機以降、多くの企業で減給あるいはリストラを行っている。例えば日産の従業員の月給は平均20%減少し、新日鉄の従業員は一時帰休の強制実施により日給が85%になった。さらに重要なことに、年収のなかで大きな割合を占めるボーナスが、削減あるいは全面カットされており、彼らの実際の収入は月給の減少以上に厳しいものとなっているはずだ。

 深夜までの掛け持ち仕事

 以前は、日本の家庭の伝統は「男が外で働き、女が家を守る」だった。夫は稼いで家を養い、妻は主婦として食事を作り子供を学校にやる。家事が忙しくないならば、妻は華道や絵画、ヨガなどのレッスンに参加するのだ。しかし最近では、このような家庭はだんだん少なくなっている。夫の収入が大幅に減少しているので、妻も仕方なく職場に戻るようになった。そのため、子供の教育やコミュニケーション不足などで家庭内問題が生じている。東京では、妻の収入が夫のそれを上回ることも少なくなく、子供を抱いてスーパーで野菜を買う男性がだんだん増えている。

 2009年、日本の有名なSNSであるミクシィで、「私は二つの仕事をしています」という文章が現れて話題になった。作者は某大企業に勤めるホワイトカラーで、年齢は40歳弱。私立高校に通う娘と小学生の息子がいる。彼はもともと年収630万円だった。生活費と子供の学費を除いた後、わずかに残ったお金で、ローンを組んで家を買った。ところが金融危機によって彼の年収は一気に480万円にダウン。ローンはおろか、子供の学費さえ払える状況ではなくなった。やむなく彼は、6時に退社すると24時間のコンビニでアルバイトすることにしたのだ。バイトは深夜1時まで続く。土曜日などは、深夜4時まで働かなければならない。文章で作者は、「ちょっと絶望しています。疲労と睡眠不足だけではありません。生活に何の面白みもなくなってしまい、精神的にまいってしまいそうです」と記している。

 この文章は当時、大反響を引き起こした。コメントには、例えば「貧乏になるほど忙しくなり、働けば働くほど貧乏になる」と自分が陥った生活の不満であふれた。「一週間の睡眠時間は20時間以下。これがもう半年続いている」、「お客さんのところに行ったとき、自分の会社の名前を言い間違えた」、こんなコメントが多くを占めていたのだった。金融危機を引き金として、さらには東日本大震災が連鎖反応となって、このような二足のわらじ、あるいはそれ以上の兼業をする人が多くなっているのだ。それは過労と心の病を引き起こし、日本の新たな社会問題になろうとしている。

 不景気時代のビジネスチャンス

 中国で最近売れているのは自己啓発本や経営本だが、日本で最近売れているのは「節約術」や「整理術」をテーマにした本だ。「100円で作れる料理レシピ」、「年収100万円の節約生活」、「整理する時間がない人のための整理術」などがベストセラーとなっている。「節約術」の本が売れる理由は言うまでもなく収入の減少である。衣食にもこと足りない状況にあることを物語っている。「整理術」が売れるのも、実は同じ原因にある。安い部屋を住まざるを得ないことから、住居空間も狭くなっているのだ。また、兼業する人が増えたことで、時間の「整理」も必要になっている。

 書店だけでなく、スーパーの棚でも変化が生じている。秋は、新鮮な果物が棚一杯に並ぶ季節だ。以前ならば、スーパーでは最高級のフルーツを入口の最も目立つところに置いたものだった。しかしこの2年、それらは脇に置かれ、同類のフルーツでも比較的安い品種のものが入口の棚を占めるようになった。それ以外、お惣菜の種類と数量が増えている。これは働く妻が増えたことを示している。

 収入の減少に従い、人々の消費眼も変わった。おしゃれで高級な物ばかり追求するのではなく、H&M、Forever21、Bershkaといったカジュアルブランドが人気を博すようになっている。安価な割にデザインに優れているほか、品物の更新率の高さが若い女性の心を捉えたのだ。そして1998年の金融危機以降に成長を始めたユニクロなどのリーズナブルな店も、相変わらず良好な業績を続けている。

 わずかに回復のきざし

 しかし、庶民の生活がひっ迫する中、日本経済も一定程度の成長が見られる。ただその歩みがのろいだけだ。低成長経済下では庶民の生活を変えることは難しいだろう。

 日本経済の今後について多くの研究機関は、一定程度の回復はあるものの成長率は高くないと考えている。日本経済研究センター研究員の愛宕伸康氏が9月12日に指摘しているが、3月に発生した大震災直後の日本経済はかなり弱体化したものの、4月から回復が見られ、8月の鉱工業生産は5カ月連続で増加し、実質的な消費額も緩やかに増加している。しかし鉱工業生産の拡大速度は予想よりやや下回った。日本経済が迅速に復活したのは、サプライチェーンを迅速に復旧させてV字型の回復を実現させたことであり、結果として7月から9月の実質GDPは高い成長率となった。しかそその後、海外経済の失速と円高の影響によって、下半期の成長率は緩やかになる見込みである。

 内閣府が9月9日に発表した統計では、4月から6月の四半期の成長率は0.5%で、通年では2.1%になる見込みだという。日本は成熟経済の国であり、新しい成長の軸を見つけるのは容易ではない。この水準でも十分好成績だといえるだろう。

 みずほ総合研究所では、2011年度の下半期について、震災後の復興需要によって成長率は伸び続けると予測する。地震前の水準に生産を回復させる過程で、家庭収入と企業利益が改善され、民間需要も上向く。2011年10月から翌年3月にかけて、年率2~3%の経済成長を維持し、2011年度の実質成長率は前年より0.5%高くなる見込みだ。

 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年10月20日

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