アップル、iPhoneの利益の6割弱を独占
米国の学者がこのほど発表した研究レポートによると、アップルはiPhoneを1台売るごとに、その利益の58.5%を得ることが出来るという。一方で、iPhoneの主要組立地である中国大陸の関連業者が得られる利益は、1.8%のみとなる。京華時報が報じた。
同レポート「アップルのグローバルサプライチェーンの利益」は、カリフォルニア大学とシラキュース大学の教授3名が共同で作成した。うちiPhoneの利益分配を対象とするリサーチによると、アップルは2010年、iPhoneを1台売るごとに58.5%の利益を得ていた。利益率2位は塑性セメントや金属などの原材料の供給国で、21.9%を占めた。パネルや電子部品の主要供給国である韓国は、4.7%の利益を占めた。アップルを除く米国の業者が2.4%を占め、中国大陸の労働者が1.8%、欧州が1.8%、日本と台湾が0.5%ずつを占めた。
同レポートについて、本紙は昨日、中国の某有名携帯電話メーカーの関係者を取材した。同氏は、「携帯電話製造業界において、これまで同様の利益分配に関する調査は、ほとんど行われたことがない。ただし一般的に、携帯電話メーカーが得る利益は、製品の利益全体の50%以上を占めることはない。アップルの6割近い利益率は、極めて高い数値である。これはアップルの、産業チェーンにおける強い地位を示すものである。ゆえにアップルはその他の携帯電話メーカーと比べ、製品の価格決定において強い自主権を持つ」と指摘した。
同レポートからは、通信キャリアも関連業者も、多くの利益を得られないことが分かる。中国聯通(チャイナ・ユニコム)の関係者は記者に対して、「当社はiPhoneの販売を、主に契約方式によって行っている。うち端末に対する大きな補償金が含まれるため、利益をほとんど手にすることができない。当社はiPhoneによりハイエンドユーザーを引きつけ、ユーザー業務から利益獲得を狙っている。海外の一部通信キャリアの状況も類似しており、iPhoneの利益を直接得ることができていない」と語った。
アップルはルートおよび価格面で厳格な統制を行っている。中国国内の関連業者は、iPhoneから大きな利益を得ることができない。ある携帯電話売場の関係者は、「関連業者が大きな利益を得られる商品には、2種類がある。1つ目は利益率が高い商品。2つ目は利益率が低いが取扱量が多い商品だ。しかしiPhoneはそのいずれにも属しない。むしろアップルによる価格設定で、関連業者の利益が大きく狭められている。またアップルによる供給制限により、製品の十分な供給が保証されていない。iPhoneは関連業者にとっては厄介な存在で、売らないわけにもいかないが、売ったところで利益を得ることが難しい」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2011年11月22日