温州の金融総合改革モデル区に4つの政策シグナル (4)
▽シグナル4:金融の実体経済へのサービスの強化
アナリストの指摘によると、今回の会議で確定した温州市の金融総合改革の主要任務12項目のうち、中小企業への資金面の支援に関するものが多数を占め、金融は実体経済にサービスを提供するものであるべきだという明確な考え方が反映されている。
たとえば今回の会議では、国有銀行と株式制銀行が、条件を満たすことを前提として、小規模企業への資金貸付を専門に取り扱う機関を設立することを奨励すべきとの見方が打ち出された。小規模企業、ミクロ企業、「三農」(農民、農村、農業)に向けた金融商品や金融サービスを刷新し発展させ、多層的な金融サービスシステムの構築を模索する必要があるとの見方も打ち出された。また会議では、温州市の管轄区域内にある銀行機関が小規模企業・ミクロ企業に資金貸付支援を行うことを奨励し、小規模企業・ミクロ企業や「三農」に資金を貸し出す企業の発展を支援し、小規模企業・ミクロ企業の資金調達をめぐる総合的なサービスセンターを構築することが打ち出された。
これについて郭主任は次のような見方を示す。中小企業は中国の市場経済における最も基本的な単位であり、これを発展し強化することは中国の実体経済の健全な発展に関わることだ。今回の会議で打ち出されたさまざまな措置は、いずれも中小企業が力を蓄えるために金融が行う支援をめぐるものであり、実体経済に対する金融の「輸血」作用が明確にされている。
劉教授も次のような見方を示す。中小企業はこれまでずっと中国の経済成長を牽引し、雇用を保障し、税収を増加させるといった重要な役割を演じてきた。だが中小企業に対する金融面での支援はいつも不足気味で、このため実体経済を支える金融の効果は常に不明瞭だった。経済発展や国民経済の改善といった点からいえば、中小企業が中国の今後の金融サービスで力を入れるべき重要なポイントになることは間違いない。(編集KS)
「人民網日本語版」2012年3月30日