国家資本主義を出して中国を語るな
最近、西側の政府関係者や学術関係者の中に、中国が「国家資本主義」を推進していると非難する人がいる。中国は国有企業が資源を独占し、外資系企業の発展の可能性を狭め、不公平な競争を進めているとし、中国の国有企業が国境を越えた経営を行うことを制限するように求める人もいる。だが、こうした言論は根本的に成り立たないものだといえる。
第一に、中国が実施しているのは「国家資本主義」ではない。中国は中国の特色を備えた社会主義の道のりを歩んでいるのだ。中国が実施しているのは、公有制を主体とし、さまざまな所有制の経済体がともに発展することを基本とする経済制度だ。こうした制度は中国の基本的な国情に合致し、中国の現在の発展段階に合致し、中国の人々の利益に合致するものだ。一方では、国有経済は布陣が整い、健全に運営されており、政府のマクロ調整能力を強化したことが、中国が国際金融危機への対応に成功する上での強みになった。また一方では、民間企業をはじめとする非公有経済の成分が中国経済の活力を大幅に高め、中国の非公有経済は発展に向けた条件が絶えず改善されてきた。国有企業の株式制への意向改革から、中小企業の資金調達難問題の解決への支援まで、さらには法律・法規で参入を明確には禁止されていない産業・分野への民間資本の投入の奨励・誘導まで、さまざまな動きがあった。中国の改革のビジョンは段階を追って深化し、効果が徐々に顕在化している。中国の市場経済はまだ発展・成熟への途上にあるが、これからは国有資本と民間資本との関係がより協調的なものになり、発展の成果が国民により大きな幸せをもたらすようになることは確実だ。