ロボットは中国の工場を新たな高みへ押し上げる
英国ロイター社は3日、「ロボットは中国の工場を新たな高みに押し上げる」と題する論考を発表した。「環球時報」が伝えた。
この論考の主な内容は次の通り。
河北省保定市にある長城汽車株式有限公司では、巨大なオレンジ色のロボットが腕を伸ばして車体を次々に溶接していく。ロボットは中国の労働力コスト急上昇の問題を解決する最良の回答のようにみえる。給与の引き上げを要求することもないし、怪我をしたりストライキをしたりすることもないからだ。同公司にとって、このロボットがもつ意義はコスト節減にとどまらないという。
自動車工場からチップ工場に至るまで、中国の各産業では機械化の水準がますます高まっている。日本の野村証券がまとめた統計によると、中国の工場の機械のデジタル制御技術利用率は28%に上り、日本の83%とは開きがあるものの、両国が同じ発展段階にあるとすれば、中国の利用率は日本をはるかに上回るという。
中国を製造業大国に押し上げた安価で膨大な労働力だが、今では思うほど膨大ではないし、それほど安価でもなくなっている。このため各メーカーは生産効率と製品の品質の向上に向け、各種の機械を買い入れることに巨費を投じている。中国資本企業とのハイエンド市場での競争に適応できていない米国・欧州・日本の企業は、中国のこのような変化によってますます厳しい課題に直面するようになっている。言い換えれば、中国は今後、安いクリスマス玩具で有名な国であることを急速にやめ、ハイエンドの医療設備や高級車、ジェットエンジンで有名な国に変わっていくことが予想されるのだ。