中国企業の課題、大規模から競争力の向上へ (2)
東北財経大学で会計学を教える池国華教授は、「売上高は企業の販売規模を反映するが、大規模であっても高い実力を持つとは限らない。今回発表された500社のうち、赤字企業が全体の10%を超える58社に達しており、一部企業の赤字額は驚異的な数値に達している。これらの企業を、実力ある企業と見なすことはできない」と分析した。
中間決算報告書の発表が相次ぐ中、世界企業500社に入選した企業の業績が振るわなかった。華北鋼鉄、沙鋼集団、武漢鋼鉄、首鋼集団等の鉄鋼企業は業績の悪化を予想した。中国◆(アルミ)業は通年で赤字を計上すると予想し、鞍山鋼鉄は半年間で約20億元(約250億円)の赤字を計上したと発表した。金属業界の他に、電力業界も赤字にあえいでいる。世界企業500社に入選した7社の電力会社のうち、赤字企業が4社に達した。ここからも、「大」と「強」を同一視できないことが分かる。
中国の入選企業が増加を続けているが、サービス業と小売業が立ち遅れており、欧米の先進国に上位を独占されている。また電子機器、製薬、航空・宇宙等、コア技術を必要とする業界では、中国企業が1社も入選しなかった。
ブランド中国産業連盟の王永秘書長は、「中国企業の成長は、投資の拡大を中心としており、技術効率の向上による成長のけん引が不足している。資源が減少を続ける時代において、荒削りな発展方式は継続できない。中国は今、技術により発展を支える時代に突入した。技術力の向上とモデルチェンジは、中国企業の緊急課題である」と警鐘を鳴らした。(編集YF)
*◆は金へんに呂
「人民網日本語版」2012年7月16日