オランダに本部を置く世界的なプロフェッショナル・サービスファーム(知的専門家集団)のKPMGが15日に発表した、中国経済のグローバル化についての報告書によると、国際的な経済環境の影響により、今年上半期の中国の外資導入額は591億ドルで前年同期比3%減少したという。中でも不動産分野での減少幅が12.4%に達し、他の分野の平均減少幅を大きく上回ったことが注目されるという。「京華時報」が伝えた。
ある関係者の話によると、中国は投資環境が悪化しつつあり、海外企業に対する吸引力が失われつつあるという。KPMGのグローバル中国業務発展センターの馮育勤主席によると、合理的な振り返りが必要だが、外資導入の減少に影響した要因には、欧州の債務危機、生産要素コストの上昇、不動産市場の落ち込みなどが含まれることをより理性的にとらえる必要があるという。
▽不動産が減少の最大要因に
同報告によると、今年上半期には不動産分野での実行ベース外資導入額が前年同期比12.4%減少して、減少幅は他の外資導入分野を大きく上回った。不動産分野の大幅な落ち込みがなかったとすれば、同期の外資導入額は同0.1%の減少にとどまったという。
同センターの彭亜利研究総監は、「資金が最も敏感だ。外資系企業は中国が不動産市場に対して行っている調整をみて、相応の投資引き下げを行った。市場が好転すれば、外資系企業は戻りのペースも速い」と話す。
KPMGは、海外企業による投資の減少を理性的にとらえるよう注意を促す。これまでの動きを振り返ると、投資が一直線に急速に伸び続けることはなかったという。現在、外資導入に影響する要因には、世界的な対外直接投資の流れの変化や中国経済の鈍化などが含まれる。とりわけ米国政府が「メードインUSAへの回帰」(製造業の国内回帰)を提唱したことを受けて、米国への資金回流の動きが目立っている。中国では人民元の上昇が続き、低い労働力コストという優位点がフィリピンやベトナムなどのアジア諸国に取って代わられつつあり、こうしたことがすべて外資導入の減少につながった。
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