外資導入ペース鈍化は一時的な現象に過ぎない
商務部がこのほど発表したデータによると、今年1-7月、全国で新たに設立された外資系企業は1万3677社に上り、前年同期比12.3%減少した。実行ベース外資導入額は666億7千万ドルで同3.6%減少し、7月の単月では75億8千万ドルで同8.7%減少し、2年ぶりの最低を記録した。ある専門家の指摘によると、現在の外資導入ペースの鈍化は一時的な現象に過ぎず、中国経済が底を打って反転上昇していることや内需による牽引へと変化していることにともない、外資の導入につながる優位点がこれまでのコスト的優位から総合的な優位へと変化しているのだという。
▽外資導入競争の優位点が弱体化
すべての分野で外資導入額が減少しているわけではない。同部がまとめた統計によると、1-7月には農・林・牧畜・漁業、製造業、サービス業、不動産業で低下したが、金融業、水力発電産業、教育産業などでは急速に増加し、特に通信設備製造業の増加率は73.6%に達した。
海外から流入する外資が継続的に減少しているのはなぜか。同部の沈丹陽報道官は次のように分析する。世界の例をみると、世界経済の伸びが鈍化し、不確定性や不安定性が強まっている。欧州債務危機はいまだに適切なソリューション(解決策)を見いだしておらず、国際金融市場は混乱している。米国政府は「製造業ルネサンス」(製造業の振興)を提唱し、「メードインUSAへの回帰」(製造業の国内回帰)などの計画をうち出し、実体経済への投資を奨励している。インド、ブラジル、ロシアなどの新興経済体の国は、多国籍企業の戦略的配置における新たな注目点となっている。こうした要因により、世界の直接投資の流れに一連の新たな変化が生じている。中国国内をみると土地の供給が不足し、労働力コストが上昇を続け、国内市場の需要はまだ完全には顕在化しておらず、中国の外資導入における優位点が弱体化している。