日本、レアアース調達多様化進める 「脱中国」狙い
日本の華字紙「日本新華僑報」の蒋豊編集長はこのほど、ハイブリッド車や戦略兵器などの技術に不可欠なレアアース(希土類)について、「日本は2016年まで約90%を中国からの輸入に頼る見込み」と指摘、「日本は『脱中国依存』に向けて獲得手段の多様化を進めている」と語った。中国国営ラジオ局「中央人民広播電台」のウェブサイトが伝えた。
蒋氏のコメントの要旨は以下の通り。
-----レアアース確保に向けた日本の取り組みは?「脱中国依存」は可能か。
「釣魚島(日本名・尖閣諸島)沖で2010年に起きた漁船衝突事件を受け、中国政府がレアアースの輸出枠を前年比約40%削減すると発表し、レアアースの価格が10倍に跳ね上がった。こうした中、日本はレアアース確保に本腰を入れるようになった。ベトナムやインド、米国、モンゴル、オーストラリアなど新たな調達先を開拓する一方、レアアース磁石回収技術やレアアース代替材料の開発、海底レアアース泥の探査などを行っている。この問題を契機に、エネルギー革命も行うようになった。大きな代償さえ払えば、中国依存を軽減ないし解消することが可能だ」
-----対日輸出の減少で、中国のレアアース産業が影響を受けることはないか。輸出量の変化をどうみるべきか。
「最近は、日本が調達を減らしていることから、レアアースの希少性を疑問視する声が上がっているが、これは単にレアアース問題という次元を超えて、両国関係という視野で考えるべき。レアアース問題をきっかけに、日本は両国の経済関係の互恵性や緊密性を認識し、戦略的な高みから両国の経済関係ひいては政治関係をとらえるようになる。一方、中国人にとっても、目先の利益だけではなく、環境やエネルギーの重要性により深く認識し、持続可能な発展を意識するきっかけとなる。対日輸出が減少すれば、経済的な収入はその分減るだろうが、それによって中国が持続可能な発展という新たな道を進んでいることを認識することができる。これが何よりも重要だ」 (編集YT)
「人民網日本語版」2012年8月23日