中国の経済成長、低コスト依存からの脱却が必要 (2)
第三に、世界的に資本が安価な時代がまもなく終わる。中長期的に見ると、世界の資本流動は今重大な変化を迎えつつある。金融危機とソブリン危機は先進国の支出に大きな打撃を与え、先進国が主導してきた世界の需要が大きく減少し、需要不足・供給過多という構造的な矛盾が現れた。
かつての経済グローバル化で存在していた過度な消費・貸付・福利・輸出といったアンバランスが今、解消されつつある。
消費需要の縮小により貸付規模が減少し、債務再編および再工業化が推進されたことで、先進国の貿易赤字は減少する見込みだ。一方で、需要の疲弊、貿易の為替リスク、保護貿易主義の台頭により、新興国の貿易黒字も減少しつつある。世界の貿易収支はバランス化に向かっている。
また、世界の投資収益率、投資・貯蓄ポートフォリオ、リスク選好度などは変化しつつあり、これも世界の資金流動とプレミアムレベルに影響を与えるだろう。
要素の「数」によるメリットから、要素の「効率」によるメリットへの転換は、国家発展の原動力・メカニズムの変化であり、発展方式のアップグレードとも言える。低コストや安価な資本というメリットが無くなった後、中国は技術革新、人的資本の蓄積、知的財産権保護、全要素生産率の向上などによりコスト上昇のプレッシャーを緩和し、資源・要素の配置を最適化し、バリューチェーンのローエンドから徐々にミドル・ハイエンドへと上っていかなければならない。どうあれ、非効率的な経済成長モデルに別れを告げることは、中国経済にとって長期的な試練となるだろう。(編集SN)
「人民網日本語版」2012年11月16日