中国式留学 車や家を売り費用を捻出 (2)
張さんは、「3年間頑張ったが、最後の1年で預金が底をついた。息子の1年間の学費を工面するために、恥を覚悟で親戚・有人からお金を借り、銀行からも借りなければならない」と話した。
◆年収30万元以下の家庭が過半数
張さんのように、子供を留学に送り出す家庭は、中国では少なくない。
重慶市自費出国仲介サービス業界協会の劉君副会長は、「重慶市では今年、自費留学生が1万人を超えた。家の売却、銀行ローンにより子供を留学に送り出すサラリーマンの家庭も珍しくない。多くの保護者は、身代を潰してでも子供を留学させようとしている」と述べた。
重慶市の留学機関のデータによると、重慶市の海外留学者数の増加率は年間平均20%以上に達している。このうち中学生・高校生が圧倒的多数を占める。啓徳教育集団が発表した「2011年中国学生留学意向調査報告書」によると、子供の留学を控えている、もしくは子供を留学に送り出す予定の家庭のうち、年収30万元(約390万円)以下の家庭が52.28%を占めた。
家庭の収入が不足しているにも関わらず、なぜ子供を留学させようとするのだろうか。
保護者は子供が留学により他者より優秀になることを願っており、一部の留学斡旋業者もこの風潮を助長している。
10万元で子供を新たな生活に送り出す、見識が広がるばかりか米ドルを稼げる、試験なしで海外有名校に留学し楽に就職できる、子供一人の留学で一家全員が移民できる??団地のエレベーター、駐車場の通路、小中学校の近くに、さまざまな留学関連の広告が貼られている。