住宅価格の高騰 儲けたのは誰か?
中国の不動産大手・華遠地産の任志強董事長はこのほど住宅価格について言及し、住宅価格の高騰で利益を得るのはデベロッパーではなく住宅購入者だと語った。人民網が伝えた。
任董事長は、「98年の時点で30万元の価値を持っていた住宅の価格は、現在500万元に達している。住宅購入者が得た利益は、デベロッパーを上回る。デベロッパーは98年当時、その住宅を30万元で販売していたわけで、利益は30万元だけだ。30万元が500万元に変わるのだから、これは巨大な利益だ。特に30万元の住宅を6万元の頭金で購入した人は、6万元が数十倍増の500万元になったことになる」と話した。
任董事長が挙げたのは一例に過ぎず、一般的なケースではない。しかし1998年より住宅市場化改革がスタートして以降、デベロッパーだけでなく一部の住宅購入者(特に投資家)も、住宅価格高騰により確かに個人資産を蓄えた。この10数年間で、デベロッパーと住宅購入者が手にした利益のどちらが上であるかについては、正確なデータが存在しないため、軽率に結論を出しても説得力を持たない。
デベロッパーおよび市場の立場から見ると、任董事長は本当のことを口にしたと言える。デベロッパーにとって、住宅を売れば売るほど価格が上がり、利益を得るチャンスが膨らむ。市場での取引が低迷し、住宅価格が低下すれば、デベロッパーは利益を得られないばかりか、元手を割る可能性さえある。そのため一部のデベロッパーは、政府の住宅購入抑制策に対して遠回しな批判をしている。
しかし、不動産業界が完全な市場化の道を歩み自由に発展し続ければ、それは非常に危険である。昨年下半期より、多数の住宅を保有する政府関係者などが何人もネット上で暴露され、批判されている。これは住宅価格の高騰、住宅分配の不均衡に対する社会の苛立ちを反映している。住宅価格の高騰により、家を持つ人と持たない人の間に富の溝が生まれているが、これは給与などの所得分配改革によって補えるものではない。