イオン 中国でのマルチブランド戦略を転換
嘉茂と嘉信茂が名称を「凱徳モール」に統一し、万千百貨が名称を「万達百貨」に改めたのに続き、アジア最大の小売グループである日系のイオンもこのほど名称を統一した。今月から、傘下のJUSCO、佳世客、吉之島などの名称をすべて「AEON(イオン)」で統一し、今後はスケールメリットの強化をはかるとしている。「北京商報」が伝えた。
▽マルチブランド戦略が終わりに
中国はイオンにとって、日本とマレーシアに続きブランドの統一を果たした地域となる。イオンは創業当時の名称は「ジャスコ株式会社」で、2001年に「イオン株式会社」に変更したという歴史があり、業務拡張の中で使われる名称にはイオンあり、AEONあり、ジャスコありとやや「乱立気味」だった。中国市場に進出した際には、ジャスコの2つの中国語名(佳世客と吉之島)が使われた。吉之島の店舗は広東省広州市にある企業とイオン(香港)百貨有限公司が合弁設立したもので、ジャスコの香港での中国語名に基づいている。佳世島の店舗は山東省青島市の企業の日本のイオン本部が合弁設立したもので、ジャスコの音訳をそのまま使用する。
▽業務拡張ペースの加速をはかるイオン
現在、イオン中国法人の主戦場は北京市、天津市、山東省、広東省、香港地区だ。中国本部の設立後は、業務拡張のペースが急速に加速している。今後のビジネス計画では、湖北省や江蘇省といった華中・華東地域への進出をねらうといい、今年下半期にはイオンショッピングセンターの武漢奥園花園店が、来年上半期には同江蘇昊中店がそれぞれオープン予定だ。
こうした状況の中で、名称の統一がイオンの布陣強化の前提とみなされるようになった。イオンの説明によると、このたびのブランド統一は山東省、広東省、香港地区の総合スーパーも対象だが、各社の管理や枠組を調整するものではなく、株式の状況にも変化はないという。