ずさんな管理 吉野家の謝罪に誠意なし
3月15日の世界消費者権利デーで最も注目されたニュースは、潜入取材によって明らかにされた吉野家の不衛生な厨房だ。報道によると、記者は吉野家の北京銀座店・崇外店に「潜入」し、両店舗の厨房で社員のマニュアル違反および深刻な衛生問題を発見した。北京晨報が伝えた。
吉野家は同情報が報じられた当日中に謝罪を表明し、両店舗の営業停止処分を発表し、迅速に反応した。吉野家の謝罪文は次のようなシンプルに内容だった。(1)複数の役員が調査チームを率い、北京のその他の店舗に対して巡回と現場調査を行う。(2)北京の全店舗の検査をすると同時に、本社の研修担当者による全店舗の調査を実施し、全従業員に対してマニュアル徹底を厳しく指導し、店長から一従業員に至るまで責任を徹底させ、同様の事件が発生する可能性を根絶する。吉野家はまた、マニュアル違反と不衛生な現象は、一部の店舗だけのものだと強調した。
このような謝罪は表面的な辞令に過ぎない。「役員が調査チームを率い店舗を巡回する」とは、見せかけだけのものではないだろうか。情報が暴露されなければ、店舗を巡回しないのだろうか。「厳しく指導」、「責任を徹底させる」、「可能性を根絶する」といったお決まりの文句は控えめにした方がよかろう。
人々の目は騙せず、誠意のない謝罪に応じることはない。
いわゆる謝罪や営業停止処分が、単なるその場しのぎのごまかしであったことが、事実によって証明されている。18日の北京衛視の報道によると、発覚から営業停止処分にされた吉野家の両店舗は、2−3日もたたないうちに営業を再開した。店員のマニュアルの再教育、厨房の衛生改善などが、これほど短期間ですべて実施されようとは、さすがファーストフード業界の成功者と言えよう。
ずさんな管理が発覚した吉野家だが、あと1−2週間もすれば影響も薄れ、かつての客足を取り戻すだろう。暴露の痛みは、吉野家に身を切るような実質的な痛みを感じさせていない。傷が回復し痛みを忘れた後、吉野家が再び古い手口を用いたり、以前よりいっそうひどくなることはないだろうか。これについては未知数だ。
あるネットユーザーは、「このような企業は暴露するだけではなく、厳罰に処するべきだ。メーカーは利益を得ると同時に、道徳的であるべきだ」とした。これは多くの人の声を代表するものだろう。
道徳を失った飲食企業が、自己調査のみで過ちを改めることができるだろうか。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年3月20日