中国不動産市場 ホットマネー流入に要警戒
最新データによると、中国国内の大・中都市の住宅価格は4月に上昇率が低下したが、依然として11カ月連続で上昇した(前月比)。これと同時に、過去1カ月間に利下げブームが世界を席巻し、人民元相場が持続的に上昇し、ホットマネーが中国に流入する圧力が拡大を続けている。住宅価格の高騰、元高、世界的な金利引下げを受け、中国不動産市場に進出し利益を得ようとするホットマネーが、虎視眈々と機会を伺っている。経済参考報が伝えた。
◆世界的な金利引下げ、ホットマネー流入の圧力
過去1カ月に渡り、世界の各中央銀行が相次いで金利引下げを発表した。EU、日本、オーストラリア、韓国などの主要経済国は、相次いで緩和的な金融政策を実施している。これにより人民元相場上昇の圧力が持続的に拡大している。
人民元の対米ドルレートは新記録を更新し続けている。2013年5月中旬現在、人民元相場は今年に入って以来1.4%上昇した。これは年初に中国国内に入ったホットマネーが、元高および米国の比較的高い預金利息だけでも、半年間で中国国内で3%以上のノーリスク利益を獲得したことを意味する。
中国の4月の対外貿易データもまた、業界内のホットマネー流入に関する重要な参考指標となった。中国の今年4月の輸出成長は、市場の予想を上回るものとなった。長江デルタの海外貿易に詳しい浙商証券研究所のトウ宏光所長は、「対外貿易データが膨らんでいることから、ホットマネーが輸出ルートを通じて中国国内に流入し、利益をあげていることが分かる」と分析した。
この状況下、中国国家外貨管理局は、「外貨資金流入管理の強化の関連問題に関する通知」を発表した。広東社会科学院の黎友煥教授は、「この通知はホットマネーの流入に対して一定のけん制力を持つが、流入を本格的に食い止めることは難しい」と語った。多くのエコノミストは、「中国人民銀行(中央銀行)は物価の反転上昇を懸念しており、金利引下げムードが弱まっている。堅調な人民元相場により、ホットマネーが異常な勢いを見せている」と指摘した。