中国国債の購入 日本が仕掛けた落とし穴
安住淳前財務相は2012年5月13日に、「中国の関連部門の許可を経て、日本は最多で650億元の中国国債の購入が可能になった」と述べた。中国国内では、「日本が中国国債の購入を許可されるのはこれが初めてだ。日本は先進国の中で初めて、人民元を外貨準備高にした。これは人民元の国際化が、さらに推進されることを意味する」とする声があがったが、筆者はこの観点に同意できない。中国経済週刊が伝えた。
中国中央銀行(中国人民銀行)はこのほど、再び3カ月物手形の発行を開始した。これは中央銀行の政策ツールの期限が長期化していることを意味するが、その裏側には国際投機資本「ホットマネー」の中国流入の加速があるかもしれない。これは異常事態だ。
このほど喧伝されている「克強指数」によると、中国経済の疲弊は深刻で、実体経済と雇用に深刻な問題が生じている。中国経済の現在の主な問題は、金融政策の「先見性・柔軟性」の解決である。これは金融政策の「正確性」の問題に関わってくる。
「正確性」を徹底するために、中国は重要な認識の問題を解決しなければならない。開放という条件下、中国の金融引き締め・緩和には、無視できない相対性が存在する。まず、金融引締めの条件は、自己の過去の状況と比較しなければならない。次に、金融緩和・引き締めの条件は、海外(特に準備通貨国の金融条件の緩和・引き締め)と比較しなければならない。中国はかつて、中国の金融条件および国内の過去の状況との比較だけに注目しており、外部からの強い干渉を認めようとせず、これに対応できなかった。
より大きな罠は、私たちの近くに仕掛けられている。5月14日のG7会議の閉幕後、日本は率先して人民元の外貨準備高における比重を高めると提案した。これは実のところ、先進国政府が中国の外貨供給の大軍に加入することを意味する。特に先進国の金融条件が極度に緩和されている状況下、中国中央銀行がどれほど大きな「貨幣のプール」を構築しようと、結果的に中国を「溺死」させるだろう。また各国政府の購入枠がどれほど大きかろうと、世界のホットマネーは中国に進出する自信を高めるだろう。