中国・シンガポールが通貨直接取引へ
シンガポール金融管理局は22日、中国とシンガポールが通貨の直接取引を開始することを明らかにした。これにより人民元オフショア取引センターとしてのシンガポールの地位が一層確実なものになる。中国側は人民元適格外国機関投資家(RQFII)のテスト事業の範囲をシンガポールへと拡大する計画で、投資限度額は500億元とする。 条件が煮詰まれば、RQFIIのシンガポール市場への投資を試験的に行うという。「国際商報」が伝えた。
▽シンガポール金融管理局 新局長に孟文能氏
中国とシンガポールの金融をめぐる関係は相当深く、シンガポール側は今後数年の間に国際貿易・投資における人民元のより広範囲な使用の推進に向けて準備を整えている。
シンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行の全徳健・経済アナリストによると、このたびの直接取引をめぐる提携は人民元オフショア取引センターとしてのシンガポールの地位を固め、強化するもので、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)地域との貿易・投資における人民元の使用を一層拡大し、人民元の国際化プロセスを力強く推進するものだ。これと同時に、中国が人民元国際化を含む金融改革を一貫して推進していることを示すものでもある。
上海交通大学現代金融研究センター長の潘英麗氏によると、政府は人民元国際化プロセスの推進で、企業の通貨選択における内在的な需要に対応し、国内企業の原材料輸入をめぐる人民元建て決済の戦略的チャンスを把握・創出して、企業の輸出における人民元建て決済を推進しなくてはならない。また新興市場経済体と発展途上国の政府・企業が人民元建て決済のための資金集めをする環境を把握・創出して、人民元建て決済用資金の需要を促すことも必要だという。(編集KS)
「人民網日本語版」2013年10月24日