今年1月に開かれた世界最大の家電見本市「2014 International CES」において、ソニーの平井一夫社長兼CEOはスピーチの中で、来賓にスマートウォッチ、4Kテレビ、スマートフォン、プレイステーション、デジカメ・デジタルビデオカメラを紹介したが、ノートPCのVAIOだけは取り上げなかった。これは一つの予兆であったかもしれない。ソニーは1カ月後の2月6日に、VAIOのノートPC事業を売却し、テレビ事業を分社化し、単独した子会社を設立すると発表したからだ。京華時報が伝えた。
ソニーの社長に就任してから2年余りに渡り、平井社長は長年に渡る巨額の赤字を受け、一連の改革措置を講じた。社内の資源配置を改善し、オフィスビルを売却し、主力以外の事業を手放した。これらの措置により、平井社長は就任から1年目で黒字化を実現した。しかし社内に多くの問題を抱えるソニーにとって、これらの小規模な措置は不十分であり、大手術が必要になっている。平井社長は手術のメスを、自社の古い病気「家電」に向けている。特に「無用の長物」と化しているノートPC事業、赤字を計上し続けているテレビ事業に的が絞られた。
◆ワン・ソニー
ソニーは中国市場で、ソニー(中国)、ソニーモバイルコミュニケーションズ、ソニー・ミュージック、ソニー・ピクチャーズなど独立した子会社を持っており、その他の市場においてもほぼ同様だ。平井社長は2012年上半期の就任以降、16カ国の子会社を訪問し情報を集め、中国だけで3回も訪問した。平井社長はその後間もなく「ワン・ソニー」という戦略を掲げ、社内資源の統合を求めた。
ソニー社内では、各部門がそれぞれ勝手な経営をするという、「大企業病」が長く存在している。平井社長は調査の中で、社内の4部門がタブレットPCを同時に開発していることに気づいた。平井社長は部門を跨ぐユーザー総合体験部門を設置した。同部門はデジカメ、テレビ、ゲーム機、AV機器、パソコンの製品計画を総合的に評価し、方針を決定する権利を持ち、これを直接指導できる。タブレットPCの製品名についても、平井社長は直接「Sony Tablet」と命名した。ソニーのすべての製品シリーズは独自の名称を持ち、テレビはBRAVIA、ノートPCはVAIO、デジカメはサイバーショット、携帯電話はXperiaと呼ばれる。