スイス高級ブランドグループのリシュモンがこのほど発表した、2013年第3四半期(10−12月)の決算によると、同グループの年間売上高は前年比2億8000万ユーロ増の29億4000万ユーロに留まった。アジア太平洋地域の売上は6%増のみで、予想の8%増を下回った。中国は、アジア太平洋で唯一売上が減少した市場だ。中国経済網が伝えた。
LVMHは2013年の新年早々、ルイ・ヴィトンの拡張を全面的に抑制し、中国の2・3線都市で店舗新設を続けないことを発表した。ケリングとリシュモンも、中国市場における拡張のペースを緩めるとした。内モンゴル自治区にも旗艦店を持つルイ・ヴィトン、2・3線都市のテナントを独占しているグッチも、戦線の収縮を開始した。
過去数年間に渡り、世界経済には大きな変動が生じたが、高級ブランドは中国で喜ばしい業績を記録していた。調査会社のベイン・アンド・カンパニーのデータによると、2008−2012年の中国高級品消費総額の年間平均増加率は27%に達した。しかし2013年の増加率は、2%のみになる見通しだ。
これらのデータを比較することで、中国の高級品市場が冷え込みを続けていることを再確認できる。この流れは2014年も続くことになる。
ベイン・アンド・カンパニーのリサーチに加わった世界高級ブランド(計20種)の統計データによると、中国市場の店舗新設数は2012年の約150社から2013年の約100社に減少し、約3分の2となっている。
中国市場は今もなお、高級ブランドが争奪する「パイ」である。財富品質研究院が発表した報告書によると、2013年の中国人の贅沢品消費総額は1020億ドルに達し、そのうち現地での消費額は280億ドルに達する。世界の高級ブランド市場の規模は、現在2170億ドルとなっている。