本紙記者がこのほど広東省・山東省・河南省などを取材したところ、多くの企業が今年「労働者不足」に陥っていることが分かった。一部の企業は、「求職者はどこへ行った?」と驚きの声を漏らしている。人民日報が伝えた。
◆珠江デルタ、各社が約2割の増給
午年の春節(旧正月)後、珠江デルタの多くの企業は労働者不足に陥っている。広東省の精密機器製造工場の担当者である王建剛氏は、「数十人の雇用計画がまだ完了していない。受付スタッフの月給は2500元に設定しているが、10日以上たっても問い合わせがない」と語った。
中国南方人材市場は2月10日に新春初の募集説明会を実施した。会場内では求職者の姿がぽつりぽつりと見られ、のんびりとした様子からは落ち着きが伺えた。
珠江デルタで、多くの企業は3000−5000元の基本給を提示しており、例年の約2割増となっている。これに加え労働環境が日増しに改善されているが、依然として魅力が不足している。
南方人材市場はこのほど、「企業の求人は今年、更なるプレッシャーに直面する。昨年1.4倍であった求人倍率は、今年やや上昇する」と予想した。労働市場はかつての技術者不足から、無学歴・無技能の一般的な労働者でさえ募集が困難な局面に移っている。
山東省の一部の中小企業にとって、「労働者不足」は新年の一つ目の問題となった。山東省の某機械加工企業では15日、ラインの20数台の製造設備のうち9台しか稼動していなかった。同社の担当者である李東氏は記者に対して、「最近は忙しくて目が回るほどだ。受注があっても生産が間に合わない。現地の生姜やネギの価格高騰を受け、春節前に農村部出身の多くの出稼ぎ労働者が辞職し、帰省し畑を耕している」と語った。
◆地域・都市間で労働力の争奪戦が展開
中西部の産業発展に伴い、多くの労働力が沿海部での就職を避けるようになった。広州市人力資源市場サービスセンター長の張宝穎氏は、春節後に広州市で不足している12万3000人の労働者の補填に頭を悩ませている。「広州市の魅力が低下しており、安価な労働者による収益力が低下している」と、張宝穎氏が述べた。