環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が22日からシンガポールで行われている。シンガポール、米国、日本、オーストラリアなど12カ国の代表が、関税撤廃や知的財産権などの難題について話し合いを進めており、会期は25日まで。今回は全日程が非公開で行われている。人民日報が伝えた。
日本の甘利明TPP担当相は米通商代表部(USTR)のフロマン代表との会談で、コメ、麦、牛・豚肉、砂糖、乳製品の「重要5項目」の関税を維持したいと主張したが、まだ妥協点は見つかっていない。甘利担当相が会談後に述べたところによると、米国の主張は変わっておらず、柔軟に対応したとは言い難い。米国は日本が重要5項目の関税維持の主張を認めず、自動車の関税の早期撤廃などの要求を拒絶した。現時点で米日が対立している状況には変化がみられないという。
▽互いに歩み寄らず、大筋合意はますます困難に
日本の共同通信社の報道によると、TPP交渉全体を左右する米日の溝が埋まらなかったことで、今回の会合で大筋合意することは一段と難しくなった。TPP交渉は長期戦に突入したという。
ある分析によると、今回の交渉の焦点は、各方面が関税撤廃といった難題で妥協点を見いだせるかどうかにある。米日の溝が物語るように、TPP交渉は大きな困難に直面している。日本の全国農業協同組合中央会の万歳章会長は21日、日本の安倍晋三首相および林芳正農林水産相とそれぞれ会見し、TPP交渉で政府が重要5項目の関税維持を主張するよう求めた。米国の農業団体は22日にコメントを出して、日本が関税維持の要求に同意すれば、自由貿易協定が「前例のない品目の例外」を受け入れることになり、その他の貿易対象国も農産品以外の製品で関税維持の要求をうち出す可能性があり、TPPの自由化のレベルを大幅に低下させることになると警告した。
また米国は国内の圧力に押されて、自動車・自動車部品の輸入関税での譲歩を拒み続けている。日本はこれまで何度も、米国に自動車の輸入関税撤廃の時期を明確にするよう求めている。
知的財産権の保護や国有企業への政策的支援や補助金の撤廃といった問題では、米国とマレーシア、ベトナムなどとの溝が埋まらない。投資を活発にするための新ルール制定が進行市場国に受け入れられるかどうかが注目を集めている。