中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は4日、全国政治協商会議のチーム討論会に出席した際、余額宝など注目を集める問題について記者の質問に答えた。「新京報」が伝えた。
余額宝は目下、インターネット金融の人気商品で、その監督管理の問題が今回の両会(全国人民代表大会と全国政協会議)における注目点の一つになっている。4日の両会では、1時間という短い時間に周総裁はもとより、潘功勝副総裁と易剛副総裁の3人が相次いで記者の質問を受け、いずれもネット金融を奨励し、余額宝を取り締まることはなく、監督管理を強化していく旨を回答した。
最新のデータによると、今年2月28日現在、ファンド会社・天弘基金管理有限公司とアリババの決済サービス・支付宝(アリペイ)が提携して生まれた金融サービス・余額宝の規模は5千億元(約8兆3258億円)に上り、利用者はA株投資家を上回る8100万人に達した。余額宝は誕生から8カ月を迎え、破竹の勢いで伝統的な金融産業を脅かすと同時に、外界の懸念を引き起こしている。
中国中央テレビ(CCTV)の証券情報チャンネルの鈕文新・執行総編(編集責任者)が先月21日、「余額宝の取り締まり」という論考を発表し、余額宝は銀行に覆い被さる吸血鬼であり、資金の金利を引き上げ、そのつけを実体経済に回しているとの見方を示した。この論考は大きな波紋を呼び、「余額宝の取り締まりはあるかないか」をめぐって大論争が巻き起こった。
周総裁は、「余額宝などの金融商品への取り締まりはきっと行われない」と発言。2人の副総裁も同じ主旨の発言をした。潘副総裁の方は、ネット金融と実体経済とを単純な対立構造にしてはならない。ネット金融によって小規模・零細企業への資金供給が増え、国民の投資ルートが拡大し、取引の効率が上がり、取引コストが引き下がることが可能だと発言。易副総裁は、余額宝などの金融商品の革新的行為を支援・容認するべきだと述べた。
ネット金融の監督管理が強化されるのは間違いない。周総裁は、「これまでは厳密な監督管理政策がなかったが、今後は一連の政策がより整備されることになる」と述べた。潘副総裁によると、ネット金融という金融の新品種に対し、第一にイノベーションと発展を奨励する態度を明確にすることが必要だ。第二に金融の市場改革を推進し、金融の供給を拡大することが必要だ。第三に監督管理を規範化し、複数部門に関わるクロスオーバー的商品については、協力して監督管理を進めることが必要だという。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年3月5日