中国、日本企業の買収がブーム

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 統計データによると、世界経済の回復や中国における経済発展パターンの転換、経済構造の調整、および企業の海外M&Aに対する政策的後押しなどの要素が相互に絡み合い、2010年上半期の中国企業によるM&A件数は計238件に達し、価格が公開されている195件のM&A総額は計119億3700万ドルとなった。前年同期比では件数が59.7%増、総額が25.1%増。中には、上半期の海外M&Aは2009年以来の上昇傾向が継続し、件数は2009年通年を上回る計30件、総額は前年同期比158.6%増の計66億7700万ドルとなった。中国企業の海外進出熱は依然として衰えが見えない。

 21世紀に突入してから、中国では経済成長と企業の日本への理解が進んではいるが、対日投資はまだ初期の段階にとどまっている。今年4月末現在、非金融類の対日投資はわず7億5千万ドルにとどまっている。その一方、最近は中国企業による日本企業買収の動きが注目を集めている。

 経済構造の調整や中央企業のリストラ、および有力企業の海外進出に対する支援などを背景として、かつて中国企業を合併買収し続けた日本企業が、今度は一転して中国企業の買収の対象となっている。日本企業の合併買収を通じて、中国企業は関連の先端技術を獲得できるだけでなく、日本企業が苦境を脱するのを助けることになり、実際のところ買収は一種の相互利益となる。

JPモルガン「中国のM&A取引額は世界2位」

中国企業の海外M&Aが活発化

買収公表時点 中国企業 日本企業 金額 概  況
2001年10月 広東美的集団 三洋電機 23.5億円

三洋電機が広東美的集団に、電子レンジの基幹部品であるマイクロ波発振器の製造技術と生産設備を売却。中国企業による同部品の自社生産は初めて。

2002年1月 上海電気集団 アキヤマ印刷機製造 20億円

香港系投資会社モーニングサイトとともに、民事再生法の適用を申請したアキヤマ印刷機製造を買収し、アキヤマインターナショナルを設立。中国企業による初の日本企業の再生。

2003年10月 東亜製薬 三九企業集団 3億円

東亜製薬は、業務拡大をはかって120-150%の増資を予定しており、増資部分を三九企業集団の「三九本草坊医薬」とハックキミサワが引き受ける。三九企業集団が予定している増資引き受け後の持ち株比率は51-55%で、東亜製薬は三九企業集団の子会社となる。

2004年8月 上海電気集団 池貝(工作機械) 20億円

池貝がまず総額3000万円の第三者割当増資を実施し、資本金を4000万円とする。上海電気はその全額を引き受け筆頭株主になる。上海電気は池貝の事業拡大のため、段階的に数億円規模まで出資金を増やしていくという。

2006年8月 尚徳太陽能電力 MSK(太陽電池部材)  345億円

2006年8月、中国の太陽電池大手、尚徳太陽能電力が買収総額は最大で3億ドル(約345億円)で、(中国企業による最大規模の日本企業買収額)で買収。販路や技術情報の取得が目的。翌年2007年3月末、福岡工場閉鎖。

2008年4月 中国動向集団 フェニックス(スポーツウエア) 5億円

フェニックスは2004年に産業再生機構入り。その後、オリックスGが100%出資。中国の動向集団は新株取得の形で5億円出資。債務は1円で継承。

2009年1月 China Satcom ターボリナックス(ITサービス) 10億円

ターボリナックス社が情報通信技術及び事業マネジメントを行うことで中国に進出している日系独資、合作、合弁企業を対象にデータセンター事業及びIP電話事業を展開いたします。China Satcom内に日本事業部を設立し、ターボリナックスがその事業部の運営を一括して請け負う形態となる予定です。

2009年4月 北京泰徳製薬 LTTバイオファーマ(製薬) 2億円

北京泰徳有限公司の株式会社制度導入等の資本政策に協力するために、LTTバイオの持分4%を北京泰徳の役員が代表を務める法人に対して売却し、出資金売却益3,402万円を計上するとしており、利益上乗せを期待した買いが先行している。

2009年6月 蘇寧電器 ラオックス(家電量販) 19億円

2009年6月24日、 家電量販大手の蘇寧電器集団(江蘇省南京市6月20日に28億元=394億円の第三者割当増資実施)がラオックスの筆頭株主になると発表。日本式経営ノウハウや日本の商品情報の入手が目的。

2009年12月 寧波韻昇 日興電機工業(自動車部品)  12億円

自動車部品メーカー寧波韻昇が、いすず自動車系自動車部品の日興電機工業の発行済み株式の79.13%を11億7000万円で買収。

2009年12月 インターナショナル・オーディオ・グループ ラックスマン(音響機器) 未公開

インターナショナル・オーディオ・グループは、開発拠点は本社のある中国以外に米国と英国にも保有。高級オーディオ機器分野では、ワーフェデール、クオード、など欧州の著名ブランドを所有しており、今回、そこに日本の名門オーディオブランドであるラックスマンが加わることとなった。

2010年2月 マーライオンホールディングス 本間ゴルフ(ゴルフ用品販売) 未公開

マーライオンHDは、本間ゴルフの株式を保有する日本の投資ファンドから過半数の株式を取得し、本間ゴルフを子会社化する方針。景気低迷により日本国内のゴルフ市場が冷え込む中、富裕層の増加により市場拡大が見込める中国での営業体制強化を目指し、今回の資本提携に至ったようだ。

2010年3月 比亜迪 オギハラ 未公開

比亜迪汽車公司がボディ用金型大手の株式会社オギワラ傘下の館林工場(車体を構成する鋼板金型を製作)を買収。

2010年5月 中信集団 東山フィルム(化学)  13億円

中国中信集団公司の傘下企業が現在、日本の産業用重量梱包材メーカーのトライウォール買収の準備を進めており、買収金額は6550万ドルに及ぶ見込みだ。

2010年5月 山東如意科技 レナウン(アパレル) 40億円

2010年7月、中国繊維大手の山東如意科技集団(山東省)が、レナウンの第三者割当増資で同社株式の41%を取得。

                                ※インターネットの資料などを基に作成。
 上記のリストによると、中国企業の対日買収の件数は毎年増え続けている。中には約5割が製造業で、態様では、ラオックスやレナウンのように、中国企業の支援によって経営不振から脱出するケースの他、最近は東芝TCLと液晶テレビを販売する合弁会社を設立するのように、中国市場進出を狙って積極的に中国企業との資本提携を探る例も出始めている。
 中国企業の買収攻勢に対して、『毎日新聞』の報道によると、日本では、「技術流出で日本のモノ作りの競争力が低下しかねない」(経済官庁幹部)と懸念する声がある一方で、潤沢な資金力を持ち、母国に世界最大の消費市場を抱える中国企業によるM&Aは「日本企業にとって一気に業容を挽回できるチャンス」(アナリスト)との見方もある。

 「ウォールストリートジャーナル」の指摘にあるように、中国企業が買収を行う際には、対象がどの産業に属しているかは問題にならず、経済的利益こそが焦点になる。そして先端技術を備えた日本企業の多くが、現在、資金不足の問題に直面している。優れた日本の製造技術の獲得が狙いで、対日買収は中国メーカーの中長期的な成長戦略に組み込まれつつある。

 中国は07年以来3年連続で、米国に代わって日本の1番目の貿易パートナーとなっている。21世紀に入ってからの9年間に、中国の対外貿易は年約20%のペースで増加し、中日貿易の年平均増加率も2けたに達した。01-09年の日本の対中貿易額の年平均増加率は12.4%で、この間の日本の対外貿易額全体の年平均増加率4.1%を大きく上回り、対米貿易額のマイナス3.0%をさらに大きく上回った。日本の対中貿易が対外貿易全体に占める割合は、01年の11.8%から09年は8.7ポイント上昇の20.5%に達した。一方、対米貿易が対外貿易全体に占める割合は、01年の24.5%から09年は11ポイント低下の13.5%となった。こうしたことから、日に日に親密さを増す中日両国の経済貿易関係がうかがえる。
中国の需要が日本経済をけん引

 中国での生産開始当初は中国で日本向けの製品を生産しているだけだったが、今では中国市場をますます重視するようになっている。市場を米ドル建てで計算すると、中国は今年、国内総生産(GDP)で日本を追い抜く見込みだ。中国という新興の世界的に重要な市場に直面して、世界の大手企業は自社製品を中国の消費者の嗜好に合わせることをますます必要とするようになっている。

「金鉱」求めて中国へ 日本も虎視眈々

 日本の政府と企業は中国人消費者に対して全方位的な攻勢をかけている。中国人観光客に対する査証発給要件を緩和したこと、中国からの投資を誘致していること、中国市場のさらなる発掘を試みていることなど、いずれも中国市場という「宝の山」をものにするための取り組みだ。では中国市場はここから一体何を得るのだろうか。 

中国勢の動き

 ◇2LDKが40万元 中国人富裕層に日本不動産熱

 ◇国際化進める中国オンラインゲーム会社 相次ぐ海外買収

 ◇中国銀聯カード、日本の加盟店が2万店近くに

 ◇中国企業に「日本の壁」は破れるか 日本は警戒

 ◇シノペック、丸紅とアフリカの油田開発で提携

 ◇上海聯通、日本最大の携帯電話販売代理店と業務提携

存在感強くなる中国人観光客

 ◆日本の中国人向け個人観光ビザ緩和 効果てきめん  ◆韓国 中国人観光客へのビザ基準を緩和
 ◆観光庁、中国個人ビザ緩和でPR 10年間の経緯語る  ◆ビザ緩和で日本への買い物ブーム到来か?
 ◆中国人観光客、日本の「救世主」に  

中国の日本国債購入に熱い視線

 ◇日本国債、中国に買ってほしくない理由  ◇日本国債への投資拡大か?劣等資産の回避か?
 ◇中国による日本国債保有の5つのリスク  ◇中国、日本国債を買い増し 外貨準備分散化の試み
 ◇中国、日本国債の購入拡大 第2の債権国に  

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