中国の民間登山家である楊春風、饒剣鋒、張京川の3氏は1年前、パキスタンにある「王者」と呼ばれる世界第2の高峰「K2」への登頂に成功した。世界でK2の南側への登頂は約3年ぶりであり、漢民族としては初の登頂成功となった。その1年後、3人は再びパキスタンを訪れ、高峰ナンガ・パルバットに挑戦した。しかし、予測し得ぬ血生臭い襲撃が、彼らの登頂の夢を無残にも打ち砕き、楊春風・饒剣鋒両氏の貴い命さえも奪い去った。銭江晩報が伝えた。
23日未明、パキスタンのタリバン武装勢力が、海抜約4200メートル地点にあるナンガ・パルバットのベースキャンプを襲撃。楊氏、饒氏、中国系米国人の陳宏路氏ら外国人登山家10人が殺害された。張氏は幸いにもその場を逃れることができた。
○タリバン、ベースキャンプを襲撃
生存者、電話で救援求める
楊氏らは、ベースキャンプに到着してすでに1週間経っており、楊氏が中国国内と最後に連絡を取ったのは、北京時間22日午後5時だった。
23日午前8時20分、楊氏のアシスタントが、張氏からの電話を受けた。張氏は、「すぐ大使館に連絡を取ってほしい。ベースキャンプで何者かにふいに襲われた。楊さんは助からなかった・・・」と必死で話しているうちに、電話は途絶えた。
電話を受けた楊氏のアシスタントは、ただちに大使館と中国登山協会に連絡して救助を求めた。
少し遅れて、パキスタン警察が今回の襲撃事件について発表した。
警察の発表によると、パキスタン北部カシミール地方のナンガ・パルバットのベースキャンプで、23日未明、銃撃事件が発生し、外国人登山家10人が犠牲になったという。
張京川氏が後で中国と電話で話した内容によると、武装勢力が真夜中にベースキャンプを襲撃したという。武装勢力は、キャンプにいた登山家全員を縄で縛り、1人ずつテントから外に連れ出して銃殺し、楊春風・饒剣鋒の両氏はその場で殺害された。偵察兵をしていたことがある張氏は、縛られた縄を自分でほどいて逃走し、谷間の中に身を隠し、衛星電話で中国に助けを求めた。
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