すでに40歳を過ぎた「流浪の歌手」と呼ばれる符凡迪は20年前、50元だけを手に深センに出稼ぎに出てきた。様々な紆余曲折を経た末に、時には廃品回収で生計を立て、街角で眠ったこともあった。しかし他人から「浮浪者」と見られがちだった彼は夢を諦めず、果敢に「中国達人ショー」や「勢不可擋」(Don't Stop Me Now)といったテレビ番組に出演し、歌声で審査員や多くの視聴者の心を動かし、「心意気」の代名詞となっている。
彼は2013年4月に安徽衛星テレビの人気番組「勢不可擋」に出演し、暖かな声で「朋友別哭」(泣くな、友よ)を歌って会場を感動させた。収入の少ない彼は2013年末、再び四川衛星テレビの番組「中国正能量」(中国のプラスのエネルギー)に出演した際に、支援の必要な人にと「何重にも包まれた1万6000元」を寄付している。
かつて「浮浪者」だった彼は、豊かな精神の世界により貧しい物質の世界のバランスを正し、自身の善良さや謙虚さ、高潔な心により一般の人々の浮ついた自分勝手な心や僻みの気持ちを照らし出している。「彼の心に比べたら、私たちの方がより貧しい」とネット利用者がコメントするのもうなずける。(編集YH)
「人民網日本語版」2014年2月10日