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更新時間:15:38 Apr 01 2009

重慶の受験生1万人以上が大学受験拒否 「学歴無用論」が争点に

 経済が相対的に活発な重慶で、農村部の受験生1万人以上が大学受験を拒んでいる。あるメディアはこのことについて「学歴無用論が農村に蔓延」と解説している。もっと正確にいうなら、私たちが討論する必要があるのは、「大学は役に立つのか」ということだ。大学生の就職難を解決する方法として、「大学を出てブルーカラーになる」のが最近主流の解決策となっている。ブルーカラーになると決めたのなら、大学に行く必要はあるのか?大学に行かないで、成功した例はいくらでもある。ビルゲイツは大学を中退したし、鉄鋼王のカーネギーだって大学を出ずに一代で大富豪になった。しかし、カーネギーが今の時代に生きていれば、当時のような成功を築けただろうか?教育という関門を突破しなければ、彼はハイレベルな競争に挑めず、頭角をあらわすこともなかっただろう。「中国青年報」が伝えた。

 大学は役立つのか、行く意味があるのか?といろいろ討論を繰り返しても頭は混乱したままだ。こういった混乱は中国の教育問題だけでなく、中国の経済構造とも密接に関わっているようだ。ある有識者が、中国経済は明らかに「ガサツ化」の方向に進んでいると話した。産業構造のアンバランスが労働力の需要構造にも反映され、知識集約型サービス業の、いわゆる「ホワイトカラー」の需要は相対的に欠如している一方、ブルーカラーは非常に必要とされている。ブルーカラーを必要とする産業構造であれば、高い教育を受けても、大部分の人はブルーカラーになるしかない。しかもブルーカラーになるなら、高い教育投資をする必要もない。

 しかし、私たちは本当に「知識が運命を変える」という願いを断ち切ることができるだろうか?一生ブルーカラーでいたいと思う人はいるだろうか?現在の中国では「『黒い手』(現場の労働者)が働いてお金を儲け、『白い手』(企業の管理層)が使う」というのが第一線のブルーカラーの真実を描写している(3月30日の「中国青年報」より)。米国で50年代、製造業がピークを迎えた時期に大量の労働者を必要としたのと似ている。同時に、「ニューディール政策」によって労働者の権利と福利が十分に保障され、一人の給料で一家を養えるようになった。

 誰も一生下層社会の労働者であることを望まない。だから私たちは教育や知識によって運命を変えなければならない。残念なのは、ここ数年中国の教育が農村の学生にとって不利な方向に発展していることだ。著名な教育専門家の朱清時氏はこのほど記者の取材に対し、「現在農村出身の大学生が全体の17.7%にすぎない。60年代は70%を上回り、中国の総人口に占める農村人口の割合にほぼ等しかった。現在の割合は低すぎる。これは正常ではない」と指摘する。農村出身の大学生の割合がどうしてどんどん減っているのか。昔は大学卒業後の収入が低すぎた。現在はこれ以外に、学費が高すぎて負担できないのが重要な原因になっている。

 「学歴無用論」の経済学的視点からすると、この高い教育投資を放棄するのはおそらく正しい。しかし、私たちは前を見なければならない。経済的な障害はいつか取り除かれるが、最も怖いのは、一旦「学歴無用論」が農村で一種の文化的障害となれば、社会全体の前進をも阻む恐れがあるということだ。

 現在の中国で「学歴無用論が農村で蔓延」している。私たちはこれが経済構造の問題なのか、教育問題なのか原因がはっきりできなくても、現在中国には大学に行く必要のないブルーカラーが多く必要だとしても、警戒しなければならないのは、「学歴無用論」が一旦文化的障害となれば制度的な不公平のほかに、文化の足かせが原因となって、この社会の貧富の差が広がることになる。この文化の足かせを解くのは、おそらく制度的な不公平を解決するよりも困難だろう。(編集KA)

 「人民網日本語版」2009年4月1日

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