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中国アニメ界の憂いと希望

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 杭州で開催された「第5回中国国際アニメ漫画フェスティバル」の会場。今年も「ウルトラマン」は多くのアニメファンのヒーローとなった。同じく日本のアニメ「ドラゴンボール」主人公・長い尻尾をもつ「孫悟空」も、連載コミック市場の伝説的存在として、来場者の人気を集めた。

 衰えることのないウルトラマンやドラゴンボールのブームに比べ、国産アニメ「美猴王」の展示ブースでは閑古鳥が鳴いていた。これらの日本アニメにインスピレーションを与えたオリジナルの孫悟空が1960年代のブーム再来を果たすことはなかなか難しいようだ。

 ▽機を逸した孫悟空アニメ

 孫悟空は、中国人なら誰もが知る「西遊記」の主人公だ。悪行を憎み、常道に逆らい、困難にめげず、超能力まで持っている。孫悟空というキャラクターは世界中にあまねく伝わり、多くの文学・映画テレビ作品で模倣されている。

 上海映画製作所は1961年、アニメ「大閙天宮(大暴れ孫悟空)」を制作した。同映画の公開上映後、第13回カルロビバリ国際映画祭短編映画特別賞、第22回ロンドン国際映画祭最優秀映画賞、中国第2回映画百花賞など数々の賞を次々と受賞した。しかしその後、「三打白骨精」や「西遊記」、今年発表される「美猴王」以外は、アニメ漫画界で孫悟空が大きく取り上げられることはなかった。

 一方、日本のウルトラマンは華々しい活躍を続けてきた。1966年の第1作以降、30種類以上のウルトラマンキャラクター、40以上の映画・テレビ作品が誕生している。ウルトラマンシリーズのテレビ作品は1993年初め、中国市場に参入した。国内26の省レベルテレビ局はウルトラマンのアニメ6シリーズ・計296作品を次々と放映した。放映時間は最長1500時間、視聴率は最高42%に達した。

 ▽国産アニメ漫画の急所:イマジネーション・童心・マーケティング

 中国動画学会の欧陽逸氷・副会長は、中国のアニメ漫画発展の弱点について、「国産アニメには、アニメの神髄である豊かなイマジネーションが不足している」とずばり指摘する。

 また中国のアニメは総じてリズムが遅く、時代の息づかい、はっきりしたスタイル、ユーモアに欠けている。ある業界専門家は、「国産アニメーションは子供達の思いとかみ合っておらず、ハリウッドが展開する幅広い年齢層に受ける『全年齢層アニメ』を実現する力もない」と分析している。

 「動漫周刊」主幹の鐘路明氏は、国内アニメ漫画業は、芸術家やクリエーターに不足している訳ではなく、市場、管理、アニメ漫画の制作規律を本当に理解している人材に不足しているのだという見方を示す。大衆に広く受け入れられる作品を制作するためには、優れたアイデアや開放的な考え方が必要なだけではなく、より強大な市場の受容能力や関連製品の開発能力が必要だ。

 ▽海外アニメ漫画は「越えられない壁」ではない

 中国動画学会の欧陽逸氷・副会長は、ウルトラマンやドラゴンボールは、中国で奇跡的なヒットとなり、極めて大きな影響を及ぼしたが、海外アニメ漫画作品は、決して越えられない壁ではなく、それらにも急所があると指摘する。日本のアニメ漫画を例に挙げると、暴力的な表現などが蔓延しており、人々からの猜疑や非難の的となっている。

 ウルトラマンのある作品は、暴力的表現を理由に日本で放送禁止となった。「西遊記」を題材にしたあるアニメでは、キャラクター全員が醜悪に描写されているだけではなく、三蔵法師の乗っている白龍馬に至っては、オンボロ車となっている。「紅楼夢」をもとにした海外のアニメでも、林黛玉が放蕩気ままな女性として描かれている。

 上海文広グループの劉詠氏は、「原典の勝手な変更やパロディーによって中国の古典のイメージが損なわれつつある。中国のアニメ人は今こそ立ち上がらなければならない」と呼びかけている。劉氏は、国産アニメ映画「喜羊羊と灰太狼」のマーケティング活動を自ら経験し、自国のアニメ作品の大きな魅力を中国人に伝えた。同アニメ映画のチケット売り上げは9000万元となり、中国のアニメ映画興行収入トップ10ランキングでは、ハリウッドアニメの大作「カンフー・パンダ」に次ぎ第2位にランクインした。

 「動漫周刊」主幹の鐘路明氏は、「喜羊羊と灰太狼」について次のようにコメントしている。

 「積極的な研究開発、ハイレベルな企画、優れた資源配置、秩序ある制作が、この作品の成功に結び付いた。中国大陸部のアニメ漫画企業は長い間、優れたモデルがなかった。オリジナルの創作が映画マーケティングの助けで成功につながったこの作品は、高い参考価値を持っている」(編集KM)

 「人民網日本語版」2009年5月5日

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