肥満の「元凶」は腸内細菌 上海交通大の研究
「水を飲んでも太る」。ダイエットに励む人で、これを実感している人はかなり多い。太る原因とは、一体何なのか。多くの人々にとって関心事であるこの問題について、上海交通大学が研究を進め、このほど大きな進展が得られた。人民日報が報じた。
上海交通大学の趙立平教授率いる研究チームはこのほど、国際微生物生態学会の国際学術誌「ISMEジャーナル」に研究論文を発表した。腸内細菌がヒトの肥満や糖尿病に深い影響を及ぼすという「慢性病の腸原因説」に直接的かつ有力な証拠が、研究チームの実験から得られた。研究員は、臨床研究において、毒素を発生し得る病原菌が、体重175キロの肥満患者の腸内で異常に増殖した場合、腸内菌全体の3分の1を占めるに至ったことを発見した。特別に考えられた治療食による食事療法によって、この患者の腸内細菌数は、測定不能のレベルにまで激減した。患者の体重は約半年間で51.4キロ減り、高血糖・高血圧・高コレステロールなどの症状も改善され、正常値になった。
研究者が、この細菌の一部を無菌マウスの体内に接種するという実験を行ったところ、深刻な肥満症と初期糖尿病の症状(インスリン抵抗性)が現れた。今回の研究によって、世界で初めて、腸内細菌と肥満の間に直接関係があることが証明された。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年12月20日