中国、「脳地図」を可視化する機器を開発
ヒトの脳の神経細胞(ニューロン)は、まるで地球上の道路網のように複雑に入り組んでいる。現在我々はリモートセンシング衛星を使って道路網を簡単に識別することができるようになったが、「脳地図」を作成するのは、衛星を数基打ち上げるよりもずっと困難だ。華中科技大学の専門家はこの問題を解決するべく、脳のニューロンネットワークを高解像度で可視化できる機器の開発を行っている。光明日報が伝えた。
同校の駱清銘教授率いる研究チームは8年間を費やし、世界で初めて1センチサイズのサンプルに対する微細構造の3Dイメージングが可能な、マイクロ光学セクショニングトモグラフィー(MOST)を開発した。同成果はサイエンス誌にも掲載された。
MOSTは従来のイメージング技術に比べ大きく優れており、現時点で最も精細なマウスのニューロンの3Dマップを作成することにも成功し、ヒトのニューロンネットワーク可視化に向けた必要条件が整った。同研究成果は、脳の構造、機能、疾患および薬物効果などの研究において非常に重要な役割を果たすことになる。
駱教授は「MOST技術は、大脳の構造・機能への理解を促進し、様々な神経疾患の治療に向けた重要な手段となるだろう」と語る。同成果は2011年度中国10大科学進展にも選ばれた。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年5月28日