中国 世界最大の「電子ゴミのたまり場」に
自分の捨てた携帯電話やパソコンが最終的にどこに行き着くか、考えたことがあるだろうか?国連がこのほど発表したデータによると、世界で廃棄された電子ゴミの70%が最終的に中国にたどり着くという。中国は今や、世界最大の「電子ゴミのたまり場」になった。中国青年報が伝えた。
中国は今、国外からのゴミの侵入を受けていると言っても大げさではない。米国国際貿易委員会のデータによると、2011年、中国が米国から輸入した廃棄物・ゴミの額は115億4千万ドルに達し、中国の米国からの輸入総額の11.1%を占めた。英国メディアによると、英国からは毎年1200万トンのゴミが中国やインドなどのアジア諸国に輸送されており、その多くが電子ゴミだという。
中国国内における電子ゴミの増加率も軽視できない。国連環境計画の報告書によると、全世界の電子ゴミは毎年3600万トンのペースで増加しており、うち中国は年230万トンで、米国(300万トン)に次ぐ、世界2位の電子ゴミ産出国となった。使用寿命を10年から15年として計算すると、中国では毎年400万台の冷蔵庫、600万台の洗濯機、500万台のパソコンとテレビ、1千万台以上の携帯電話が淘汰されることになる。杭州だけでも、3年分の電子ゴミで西湖を埋め立てることができるほどだ。
電子ゴミは電子廃棄物とも呼ばれ、主に廃棄された家電やコンピュータなどの電子製品だ。電子廃棄物には通常、大量の重金属や有毒物質が含まれる。例えば液晶ディスプレイには水銀が含まれるが、これも一種の有毒物質だ。廃棄されたディスプレイを分解、焼却し、埋め立てる際には、有毒物質が漏えいして環境汚染が招かれやすい。また再利用できるレアメタルやエンジニアリングプラスチックも、処理のプロセスで無駄になってしまうことが多い。携帯電話を例に取ると、廃棄された携帯電話1トン分から取れる金の量は、金鉱石に含まれる金含有量の50倍に相当するという。
日本では、電子ゴミの回収を含むリサイクル産業は「静脈産業」と呼ばれる。人の血液が動脈を通じて体の隅々に送られた後、静脈を通じて再び心臓に戻り、新たな循環を始めるのと同じように、リサイクル企業は生産と処理の過程で生じた廃棄物を再利用可能な資源に転化させ、再利用を実現している。