H7N9型鳥インフルエンザ ニワトリの体内で生成
今年に入り中国で初めて発見された、H7N9型鳥インフルエンザのヒト感染例は、広く注目を集めた。国内外の研究者はこのほど、「H7N9型ウイルスは、異なるウイルスがニワトリの体内で遺伝子組み換えにより生まれた可能性が高い」とし、同時に「副産物」として、これまで知られていなかったH7N7型ウイルスが生成されていることを指摘した。新華社が伝えた。
同研究者の担当者の一人、香港大学の研究員の朱華晨氏は新華社の記者に対して、「分析結果によると、アヒルが初めに野鳥から類似するウイルスに感染し、アヒルの体内で遺伝子組み換えが生じた。アヒルがこれをさらにニワトリに感染させ、ニワトリの間に存在していたH9N2型ウイルスと大規模な遺伝子組み換えを起こし、最終的にニワトリの体内でH7N9型ウイルスが生成された」と指摘した。
H7N9型ウイルスは主に、ニワトリの口や呼吸道などの位置に存在し、これらの部分からヒトに感染した可能性が高い。研究者は、「上述した発見は、H7N9型ウイルスの源と感染方式を明らかにした。これは感染ルートを断ち切り、H7N9を抑制する一助となる」と説明した。
またH7N9型ウイルスを生成した遺伝子組み換えの中で、これまで知られていなかったH7N7型ウイルスが生成されていた。動物実験により、H7N7型ウイルスがユキヒョウに感染することが確認された。ユキヒョウの呼吸器系のウイルス感染のメカニズムはヒトと似通っているため、ウイルスの動物モデルに利用されることが多い。研究者は、H7N7型ウイルスにはヒト感染の可能性があるため、その脅威に警戒する必要があるとした。
研究者は、「H7N9型ウイルスとH7N7型ウイルスの進化の過程を見ると、アヒルとニワトリはウイルスの生成・伝播の中で相互に作用している。つまり異なる種を飼育・繁殖・運搬・販売する際には、できる限りこれを隔離することで、ウイルスの種を跨ぐ伝播、新型ウイルスの生成を防止する必要がある」と強調した。
中国国家衛生・計画生育委員会は、7月31日までに中国大陸部で、H7N9型鳥インフルエンザの133件のヒト感染例が報告されており、そのうち44人が死亡したと発表した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年8月23日