北京 輸入禁止の有害生物がネット通販で侵入
検疫官はこのほど、輸入が禁じられているサイカブトの標本(日本)と蝶の標本(ドイツ)を発見し、国内流通を阻止した。年初から8月までに、北京市の口岸(出入国検査場)は輸入禁止品を延べ2万2040回(前年同期比173.4%増)、有害生物を延べ626回発見した。検疫官によると、ネット通販などの普及が、有害生物の侵入に隙を与えているという。北京日報が伝えた。
検疫官がこのほど郵便物の調査を行った結果、サイカブトの標本(日本)と蝶の標本(ドイツ)を発見した。サイカブトの標本の受取人に連絡したところ、南アメリカ原産のサイカブトの一種で、個人的なコレクションとして海外のウェブサイトから購入したものだという。
北京国家質量監督検験検疫総局動植物所の関係者は、「当局が摘発・押収する違法手荷物、郵送禁止品の数がここ数年で大幅に増加している。有害生物を延べ626回(155.5%増)、検疫性有害生物を延べ230回(57.5%)発見した。これらの郵送された輸入禁止品には、主に生きた動植物、繁殖材料、標本、土壌などが含まれる」と説明した。
世界の電子商取引(EC)の急速な発展に伴い、郵送により国内に入る輸入禁止品が、口岸の重点検査対象となりつつある。統計データによると、中国国内のECサイトでは、中国の法律によって明確に手荷物・郵送による輸入が禁止されている16種類の動植物のうち、10種類が公然と販売されている。これらの有害生物は、ネット通販により中国に侵入している。
生きた動物は、「中華人民共和国の手荷物・郵送による輸入が禁じられている動植物およびその商品のリスト」によって、手荷物・郵送による輸入が明確に禁止されている。中国国内のペット市場の需要が近年旺盛になっており、多くの観光客は利益目的に生きた動物を手荷物として帰国している。このようにして国内に入った生きた動物は、いかなる検疫の審査・手続きをも受けておらず、その出処・品種・衛生状況が不明で、検疫のリスクを評価しがたく、中国の環境・農業などに重大な安全リスクをもたらしている。また多くの発見された生きた動物は、ワシントン条約附属書I・IIの保護動物であり、違法な取引が許可されていない。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年11月18日