中国政府はこのほど、北京・天津・杭州などを含む第1期新エネルギー車使用普及都市・エリア(計28カ所)を発表し、電気自動車(EV)を始めとする新エネ交通が再び人々の注目の的になった。EVは伝統的なエネルギーを使用した自動車の代わりになる交通機関であるが、私たちの生活からどれほど離れているのだろうか?EVは都市の交通渋滞や、それによる環境汚染などの問題を効果的に解消できるだろうか?杭州市などがこのほど発表した「EVカーシェアリング」が、その答えを導き出すかもしれない。科技日報が伝えた。
このほど浙江省杭州市の道路に、「微公交」(ミクロ公共交通)と呼ばれるEVコンパクトカーが登場した。白地に緑のボディは、車の流れの中で特に目立っている。情報によると、「微公交」は吉利控股集団と康迪科技集団が共同発表した、中国初の「EVカーシェアリング」だ。いわゆる「カーシェアリング」とは、1時間単位で自動車の使用権をレンタルすることを意味する。利用者はレンタル地点で車を借り、都市の別のレンタル地点まで運転し返還し、その他の利用者に渡すことができる。利用者は本人の運転免許証を提示し、レンタル契約を記入し、カードで1000元の保証金を支払えば、道路を運転することができる。
康迪電動汽車控股集団の胡暁明総裁は、「地下鉄や路線バスを大動脈とするならば、地下鉄の駅や停留所から家までの距離は毛細血管と例えられる。多くの場合、この毛細血管の血流は滞りがちだ」と語った。
調査結果によると、マイカーを1日24時間内に使用する時間は平均3時間未満で、その他の時間は停止状態となり、多くの停車位置を浪費している。胡総裁は、「微公交は人々の共有により自動車を交通機関の本質に回帰させ、毛細血管の中で流動させ、自動車の単位当たりの利用効率を大幅に高める」と説明した。
杭州市は中国国内の、新エネ車普及モデルが最も豊富な地域だ。市街地ではEVバス・タクシー、月割のEVレンタカーが多く見られる。専門家は、「中国のEVは大型路線バスやタクシーなどで普及が進んでいるが、その多くは単純な排気ガス削減のレベルに留まっており、都市の交通渋滞を根本的に緩和できていない」と指摘した。杭州市経済委員会自動車工業所副所長の魏兆宏氏は、「カーシェアリングという理念により、微公交は大型公共交通がカバーできない盲点を減少し、都市全体の交通構造に深い影響を及ぼすことになる」と分析した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年1月7日