中国と米国の研究者は3日、伝統的な漢方薬材であるエンゴサク(別名は元胡)から、新たな鎮痛活性成分を発見・確認したと発表した。これをベースとすれば、副作用と依存性の少ない鎮痛剤を開発できる可能性があるという。新華社が伝えた。
中国科学院大連化学物理研究所と米カリフォルニア大学アーバイン校の研究者は共同研究の結果、エンゴサクに含まれる鎮痛活性成分のデヒドロコリブルビン(DHCB)を新たに発見した。動物実験の結果、同成分は慢性的な痛みに対して高い治療効果を持ち、かつ薬剤耐性を持たない可能性があることが確認された。モルヒネなどのアヘン成分を利用した鎮痛剤は、投薬当初は高い効果を示すがすぐに耐性を生むため、投薬量を増やさなければ同じ治療効果を得ることができない。
中国側の研究担当者、大連化学物理研究所の研究員の梁鑫淼は、「痛みの治療において、依存性・薬剤耐性などの副作用が、モルヒネなど鎮痛剤の臨床使用を制限している。DHCBによる鎮痛はアヘン成分の鎮痛剤と大きく異なり、オピオイド受容体の刺激により作用するのではなく、ドーパミンD2受容体の拮抗により作用する。ゆえにDHCBは、鎮痛治療に新たな可能性を提供した」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年1月7日