北海航海保障センター青島航路標識所の「小型設標船ブイ投入器」技術が、このほど中国国家知識産権局(知財局)の実用新案特許証書を取得した。同所が船舶科学技術の革新で獲得した特許は、これが5件目となる。同技術の発明と使用は、小型設標船の機能を高め、日増しに拡大する設標の緊急対応の需要を満たし、中・大型設標船を持たない設標所の緊急設標、もしくは少量のブイの配置を可能とする。科技日報が伝えた。
同所は中・大型設標船が少なく、一部に集中しており、小型船は多いが設標を行えないという現状を受け、同技術を発明した。同技術は主にラック、可動板、制御システムによって構成される。可動板にブイのシンカー(おもり)を置くと、可動板はシンカーを載せたままラック内の空間に入り舷の外側に移動する。制御システムにより可動板を開くことが可能で、シンカーは自らの重力により海に落ち、ブイの設置を完了する。小型設標船に同設備を搭載すれば、ブイ設置の機能を持つようになり、中・大型設標船との相互補完により、中・大型設標船のない場所で設標を行うことができる。また中・大型設標船の作業が制限を受ける養殖エリア付近、幅の狭い海域、浅海、浚渫中の航路などでブイを設置できる。価格が安く、操作性が良く、高い効果を発揮し、普及価値が高いことから、業界内の専門家に「重要な技術革新で、国内の空白を埋めた」と評価されている。
同設備は2013年1月より、日照市航路標識所の設標船「海巡15027」に搭載され、1年余りに渡り使用された。同設備により設標を13回実施し、100万元(約1650万円)以上の資金を節約した。特に中・大型設標船が少ないことによる緊急対応能力の不足を補い、業界全体の緊急対応能力を大幅に高めた。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年3月18日