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【第50回】企業の宣伝を目的としたウェブサイト上における他人の作品の引用について

 時に企業は、自社のウェブサイト(例;文章、写真)において、他者の作品を使用することがありますが、この場合、他者の作品内容の使用を通して、直接営利性のある活動を行うわけではなく、単に企業のイメージ、製品やサービスの宣伝のためにそれを利用します。企業が、このように他者の作品を引用する場合、権利者からの承諾や報酬の支払いが果たして必要なのか、この点について、本稿では初歩的検討を行っていきたいと思います。

 我々は、引用する作品が “政治、経済問題に関連する文章”かどうかによって、取り扱いを区別する必要があると考えます。

 一、 一般的作品の引用について

 《情報ネットワーク伝達権保護条例》(国務院令第468号)の第二条規定には、法律行政法規、その他の規定を除き、いかなる組織あるいは個人も、情報ネットワークを通して他社の作品を公衆に提供する場合には、権利者の許可を取り、かつ報酬を支払うべきである、と定められています。この規定により、情報ネットワークを通して、公衆に他者の作品を発信する場合、権利者の許可を取り、報酬を支払わなければならず、営利性の有無によってこの規定の適用が判断されるべきではなく、また、その利用が作品全体かどうか、または作品の実質的内容の有無によって、この規定の適用を限定するものでもありません。同時に、最高人民法院が公布、施行した《法釈[2006]11号》決定、《最高人民法院によるコンピューターネットワーク著作権に関わる紛争案件の審理における法律適用の若干問題についての解釈》では、 “すでに新聞や雑誌に掲載された、あるいはネットワーク上で配信された作品について、著作権者本人あるいは著作権者から委託を受けた新聞、雑誌社、ネットワークサービス提供者により、転載、編集を禁ずる声明がある場合を除いて、関連規定に基づき報酬を支払い、出典を明らかにしたネットワーク上での転載、編集行為については、権利侵害要件を構成しない”という元第3条の規定が削除されており、情報ネットワークを通じて行う他人の作品の使用について、やはり権利者の許可を同じく必要条件としています。

 したがって我々は、この現行法律規定により、企業がそのウェブサイト内で他人の作品を引用する場合、たとえその内容がわずかである、あるいは営利活動を目的にしていなくても、法に基づき等しく権利者の許可を得て、権利者に報酬を支払う必要があると考えます。

 二、 政治、経済問題に関する文章の引用について

 《情報ネットワーク伝達権保護条例》第六条第(七)項と第十条第(一)項規定では、著作者が作品の使用を禁止する声明を出している場合を除き、 “情報ネットワーク上で公衆に向けて提供される発表済みの政治、経済問題に関する時事性のある文章”について、著作権者の許可や報酬の支払いは必要ないとされています。《中華人民共和国著作権法実施条例》(国務院令第359条)第五条第(一)項規定によると、“時事性のある文章”とは情報ネットワーク上ですでに発表された“単純事実情報”のことを指す、とされています。前述の規定により、《情報ネットワーク伝達権保護条例》第六条第(七)項が適用されるには、同時に以下の条件を揃わなければなりません。まず、第一に、事前に作者が提供を禁ずる声明を出していないこと、第二に、情報ネットワーク上ですでに発表されている時事性のある文章で、未発表作品には本項目は適用されないということ、そして第三に、時事性のある文章は、政治もしくは経済問題に関する内容のものであるということです。

 したがって、情報ネットワーク上ですでに発表された、企業に関連し、かつ政治もしくは経済問題に関する内容で時事性のある文章(文章に附属する写真も含む)については、作者が事前に使用禁止の声明を出していない状況の下、企業は宣伝を目的として、そのウェブサイト上で発表する内容中に引用することができ、この種の引用は著作権者の許可や報酬の支払いは必要ありません。



 作者:周 暘 潤明法律事務所弁護士(早稲田大学法学研究科 法学修士)



 作者:張 静  潤明法律事務所弁護士(北京大学法学院卒業 法学学士)

 「人民網日本語版」2009年12月18日

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