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【第54回】海南島を国際観光島にする国務院の意見について


 1 国際観光島を建設する国務院の意見の公布

 2009年12月31日、中国中央政府国務院が「海南国際観光島の建設発展の促進に関する若干意見」(国発[2009]44号)(以下、「本通知」という)を公布し、2020年までに海南島を世界屈指の国際リゾート地として開発する目標を掲げ、かつ、この目標を実現するための一連の優遇政策を発表しました。

 海南島は中国の最南端に位置する島で、現在、「中国のハワイ」とも称される風光明媚なリゾート地として国内外から多くの観光客が訪れていますが、これは1987年に国務院が「海南省の設立およびその準備作業に関する通知」を公布し、海南島を広東省から分離させて中国最大の経済特区として多くの優遇政策を与えたことで、「海南投資ブーム」が巻き起こり、海南島の知名度が急激に上昇したことに起因しています。

 今回の通知は、この国務院の87年通知以来、2度目の海南島投資ブームの起爆剤になるのではないかと、国内外から大きく注目を集めています。

 2 海南島投資の優遇政策

 海南島を世界有数のリゾート地とすることを目的に、本通知では一連の優遇政策が打ち出されています。そのうち、特に外国企業が注目すべきポイントは以下のとおりです。

 (1)中西部大開発と同等の優遇政策の享受

 1978年の改革開放政策の実施以降、これまで外国企業は、中国の沿海地域を中心に投資を行い、事実、沿海地域はこの30年の間に大きな発展を遂げました。現在、中国政府は沿海地域に比べて遅れている中西部の開発を促進するため、「中西部地域外商投資企業優位産業目録」(2008年修正)を公布し、中西部に投資する外国企業が優遇を受けられる産業を掲げ、中西部への投資を奨励しています。本通知では、海南島を「中西部地域外商投資企業優位産業目録」の実施地域として取り上げ、中西部地域と同様に、海南島で所定の政府奨励産業に投資する外国企業に対して関連優遇政策を用意することで、海南島の開発を促進しています。

 (2)外商投資旅行社の設立奨励

 ここ数年の中国での世論調査では、「もっとも行きたいリゾート地」として海南島が毎年のように取り上げられています。本通知では、海南島を世界屈伸のリゾート地として、さらなる発展を実現させることを目的に、資金援助や政策支援のほか、ビザなしで自由に海南島に入国し観光できるビザ免除該当国家数を26カ国に増やし、ビザ免除該当国の外国人の滞在期間も21日に延長したり、さらに外国人が買物時に納付した増値税等の税金について出国時に還付を受けられる等、数々の優遇措置を打ち出されており、外国人旅行者の更なる増加が期待できます。また、外国人旅行者を呼び込むための具体策として、本通知では「積極的に国内外の大手旅行企業を誘致する」ことが明確に定められており、外商投資旅行社の設立を推進しています。

 (3)国際観光客船事業の推奨

 旅客船観光は新たな旅行形態として、中国でも人気を集めつつあります。本通知では、「積極的に国際旅客船観光産業を発展を推進し、国際観光客船の港の建設や外国旅客船観光経営会社による海南における経営的機構の設立、またはその認可を受けた国際客船観光サービス業務の展開を認める」と定めています。これにより、外国旅客船観光経営会社が海南島で客船観光事業を実施し、かつ優遇政策を受けることができると考えられます。

 (4)買い物天国の可能性

 本通知は、旅行者の免税買い物政策の可能性につき、財政部をはじめ速やかにこれを研究し国務院に報告する、と定めています。つまり、外国人・中国人を問わず、海南島で買い物した旅行者に対して税金を免除し、海南島を香港と同様、買い物天国に発展させる可能性もあります。

 中国では、空港内での免税店設立が簡単ですが、市内での免税店の設立が非常に困難となっている中で、2009年、国務院の特別承認を受け、海南島で4つの市内免税店(出国者向け)の設立が認められました。海南島を除き、全国で9つの市内免税店しかない現状から見ると、これらの市内免税店の設立が海南島を買い物天国に発展させる先頭試験措置であり、海南島を買い物天国に発展させる国の決心が高いと言えましょう。これが実現できれば、海外のブランド品が海南島に出店し中国に進出するよいチャンスとなります。

 (5)競馬・競輪事業の可能性

 本通知は、海南島で競技宝くじの発展を模索する、と定めています。中国の現行法から見ると、海南島でマカオのような賭博事業を展開させる可能性に限界がありますが、香港のような競馬または競輪による宝くじを実施できる可能性が非常に高いと考えています。現在、湖北省武漢市で競馬が認められていますが、宝くじの実施は認められていません。海南島は、中国ではじめての競馬・競輪による宝くじの実施地域として期待されています。

 3 海南島投資の行方

 筆者は海南島の出身であり、大学進学までずっと海南島で生活し、現在も定期的に海南島にいる親族を訪問するなど、ここ数十年間の海南島のめざましい発展を目の当たりにしてきました。国務院の1987年の通知以降、海南島は、とくに旅行業分野で目覚しい飛躍を遂げており、一時のブームほどではないものの、それは現在も続いています。本通知の公布は、海南島の旅行業分野のさらなる成長を後押しすることが十分に予想され、本通知に定める各種の優遇政策が実現すれば、海南島は旅行業を中心に、商業、体育宝くじ事業、そしてその関連するインフラ建設、不動産開発等の関連事業も大きく発展することが予想されます。

 



 作者:韓晏元 潤明法律事務所パートナー弁護士 神戸大学博士(法学)
 

 「人民網日本語版」2010年1月14日

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