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【第98回】家賃精算費用が労働報酬に算入される裁判例(仲裁審理済、一審審理中)

 事件概要

 A氏が2006年7月17日にB社に入社して、労働契約書には、勤務場所が北京にし、月給が5000元にして約定しました。2009年4月1日よりA氏がB社の上海提携企業に派遣されました。

 このため、B社がA氏と労働契約変更協議書を締結し、変更内容の一つは、A氏が上海勤務期間において、B社が住宅を提供し、家賃及び関連費用の精算費用の上限が月で8000元になるというものであります。

 A氏が2009年4月1日から2010年5月末までに上海にて勤務していました。この期間において、A氏が毎月で8000元に相当する納税済み領収書(完税発票)をB社の提携企業に提供し、提携企業がこれを精算し、その後、B社が日常費用支出という会計名目で提携企業に支払います。B社が少しでもA氏の勤務積極性に悪い影響を与えたくないため、A氏の賃貸マンションの実際料金(3500元前後)を知りながらも、精算請求を認めていたのであります。

 その後、A氏が2010年6月初、北京に戻り、B社での勤務を復帰しました。2010年6月9日に、B社が私の意見を受け、労働契約法第40条1項3号、つまり「労働契約締結の際に根拠とした客観的状況に重大な変化が生じ、労働契約が履行不能となり、会社と労働者との協議により、労働契約の内容変更について合意に至らなかった場合」という規定に基づき、一方的にA氏との労働契約を解除しました。

 2010年6月末、違法解除の理由でA氏が北京市労働争議仲裁委員会に労働仲裁を申立てましたが、会社の一方的な労働契約の解除理由が認められ、A氏が仲裁裁決に負けました。

 しかし、2010年9月29日に、経済補償金の計算には間違えがあったという理由で、再び北京市労働争議仲裁委員会に労働仲裁を申立てました。

 争議の焦点は、経済補償金の計算規準であります。

 労働契約法第47条第3項によれば、経済補償金を計算する際の月給は、労働契約解除前の12ヶ月の平均賃金であります。

 労働契約法実施条例第27条によれば、労働契約法第47条に定める経済補償の月給は、労働者の受領すべき賃金に従い計算し、時間による賃金または出来高による賃金及び奨励金、手当、補助金等の貨幣収入を含みます。

 会社にとって、A氏の労働契約解除前の平均12ヶ月の賃金につき、諸貨幣収入を算入しても、6750元になりますが、8000元家賃の精算費用が会社の日常費用支給に該当し、かつ個人所得税を納税しないので、A氏の貨幣収入に算入されるべきではないと主張しています。A氏は、12ヶ月間の毎月におき、固定収入として8000元を貰えるので、これも月給の一部分に該当し、経済補償金を計算する際、これをも算入する必要があります。

 2010年10月14日に、北京市労働仲裁委員会が裁決を下し、8000元を経済補償金に算入され、A氏の主張は仲裁委員会の支持を得られました。その後、B社は、北京東城区人民法院に訴訟を提起しました。

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