2010年12月24日    メールマガジン登録I-mode登録中国語版日本版
人民網日本株式会社事業案内  更新時間:08:13 Dec 24 2010

【第99回】二回連続して固定期限労働契約後の企業選択権に関する動向

 従業員と2回連続して固定期限労働契約を締結した後、企業が労働契約の期限満了による終了を選択できるかどうかは、そもそも労働契約法の一大争点となっています。

 少数説は、従業員と2回連続して固定期限労働契約を締結した後、企業が労働契約の期限満了による終了できると主張しています。つまり、第14条第2項第3号における無期限労働契約の締結は、?2回連続して固定期限労働契約を締結、?労働者が本法第39条及び第40条第1項、第2項に規定される状況にない、?労働契約の締結を継続する、という3つの並列した要件を満たさなければならないと解釈します。

 2009年3月3日に、上海市高級人民法院は『「労働契約法」の若干問題の適用に関する意見』を上海市各級裁判所への通知として公布しました。少数説を採用し、労働契約法第14条第2項第3号について、2回連続して固定期限労働契約を締結した後、企業が労働契約の締結を継続する場合、はじめて従業員が無固定期限労働契約の締結を企業に要求できると解釈されるように見えます(第4条第4号)。

 上海高級人民法院の上記通知は、上海市の各級裁判所にしか適用しないが、しかし無固定期限労働契約の締結のように、労使関係に重要に影響する問題につき、各地それぞれ不一致な規定を作成する確率は極めて低いと考えられ、この問題に関する争議が安定化しています。

 しかし、上海高級人民法院の上記通知は、金融危機の時期に公布され、不況時代における労働契約法の軌道修正として、企業に有利に解釈しているものだと理解しています。

 2010年9月13日に公布された「労働紛争事件の審理における法律適用の若干問題に関する最高人民法院解釈(三)」には、上記問題について明確な規定が定められていないのであります。

 現時点、少なくとも北京の地域で、2回連続して固定期間労働契約を締結し、且つ労働者が本法第39条及び第40条第1項、第2項に規定されている状況にないときに、労働契約の締結を継続する場合、無固定期間労働契約を労働者と締結しなければなりません(労働者が積極的に固定期間労働契約の締結を提起する場合を除き)。これは、私の意見ではありません。実は、私が上記上海高級人民法院の指導意見を支持しています。これは北京地域の裁判所の数名労働裁判に担当している裁判官の意見であります。

 また、現時点までに、これに関する有力な判例はまだ見受けていません。

 対応策としては、3回目の労働契約を締結する時点になれば、会社は、北京地域の日系企業は積極的に無固定期間の労働契約を締結する必要がありません。

 万が一、従業員に無固定期間労働契約の締結要求で提訴された場合、ケースバイケースで対応する必要があります。

 私の理解、たとえ最後、無固定期間労働契約の締結を命じられた場合、無固定期間の労働契約を締結するならばよいのであります。この場合、会社にとって、期限満了に伴って労働契約を終了できる武器の一つを失うことにとどまり、無固定期間労働契約を締結していても、本当に労働契約を解除したい場合、他の方法で対応することができますから、永遠に無固定期間労働契約を有する従業員に縛られるわけではないと考えます。
  



 作者:周暘 潤明法律事務所弁護士(早稲田大学法学研究科 法学修士)
 


 作者:高嵩 潤明法律事務所パートナー弁護士(北京大学法学部卒業、元北京第2中級人民法院裁判官)

 「人民網日本語版」2010年12月23日

関連記事
  評 論
  中国メディアが見る日本 
  おすすめ特集

地方情報

北京|天津|上海|重慶|吉林|遼寧|河北|山西|山東|河南|江蘇|浙江|安徽|福建|江西|湖北|湖南|広東|広西|海南|四川|貴州|雲南|西蔵|青海|陝西|甘粛|寧夏|新疆|香港|澳門|台湾|黒竜江|内蒙古