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【第100回】労働紛争法律適用の司法解釈三について

 「労働紛争事件の審理における法律適用の若干問題に関する最高人民法院解釈(三)」(以下、「司法解釈三」という)は、2010年9月14日に実施された。今回、その重要な条文を説明したいと考える。

 【第一条】 従業員は、使用者が本人への社会保険手続を行っておらず、かつ社会保険取扱機構がこれを補充的に納付することができないことにより、従業員が社会保険待遇を享有することができないことを理由に、損害賠償を使用者に要求することにより生じた紛争につき、人民法院はこれを受理するものとする。

 「調解仲裁法」には社会保険争議が労働争議であると定められる。しかし、すべての社会保険争議がその類型を問わず、一律に労働争議として裁判所が受理しない。実務上は、会社は、従業員のために社会保険手続きを行ったが、ただ保険料の未支払、または社会保険の支払年数、基準などにより生じた純社会保険争議に対し、社会保険取扱機構により処理され、裁判所はこれを受理しない。

 上記条文により、裁判所が受理できる社会保険争議には、A労働関係の存在、B会社は従業員への社会保険手続を行っていない、C社会保険取扱機構がこれを補充的に納付することができない、D上記理由で、従業員に損失を生じた、という四つの用件を具備しなければならない。

 【第二条】 企業の自主再編により生じた紛争につき、人民法院がこれを受理するものとする。

 従来、政府主導の国有企業の再編により、生じた自宅待機、勤務年数の買取、定年繰上、賃金遅延支払などの争議に対して、政府解決に委ね、裁判所は労働争議か、普通民事争議として受理しない。

 一部の地方裁判所は、政府主導ではなく、非国有企業の自主再編により生じた上記類型争議をも政府解決に委ね、受理しないと理解している。上記規定により、企業の自主再編により生じた労働紛争である限り、裁判所はこれを受理しなければならない。

 【第三条】 従業員が労働契約法第85条に基づき、人民法院に訴訟を提起し、追加賠償金の支払を使用者に要求した場合、人民法院はこれを受理するものとする。

 従来の通説は、会社の追加賠償金の支払につき、従業員が労働行政部門の協力しか要請できない。上記条文により、従業員が訴訟を提起することができる。ただし、従業員の追加賠償金の支払請求は、裁判所の支持を得られるために、A会社の違法行為を労働行政部門に摘発しなければならない、B労働行政部門が関連費用を支払うようと会社に命じたが、期限が過ぎても会社がこれを支払っていない、という手続上の用件を具備し、関連証憑を提出しなければならない。

 【第四条】 従業員は、営業ライセンスを取得していない使用者、営業ラインセンスを取上げられた使用者、または営業ライセンスの期限の満了後に引続き経営する使用者と紛争が生じた場合、使用者又はその出資者が当事者となる。

 実務上には、上記三種類の使用者は、労働報酬、経済補償金の支払などの法定義務を逃れるため、合法的な使用者主体資格を有しないという理由で、労働争議仲裁、訴訟の当事者にならないとよく主張している。

 合法的な使用者主体資格を有しないまま、従業員を雇用する行為は、工商登記規定に違反する違法行為であり、行政処罰の対象になる。しかし、これは民事行為の効力に影響しない。双方が締結した労働契約が、法律上の強制規定、かつ公序良俗にも悖る内容がなければ、有効になる。双方には労働関係を有すると認定できる。上記三種類の使用者は当然、労働争議仲裁、訴訟の当事者になる。

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