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【第88回】労働教養について (2)

 三 労働教養の期限、及び管理、許可機構

 「関于労働教養的補充規定」、「労働教養試行弁法」には、労働教養の期限、管理、許可機構にいて、明確な規定が定められています。

 期限:1年から3年まで、特殊な場合、延長できるが、累積延長期間が1年を超えない

 管理、許可機構:省レベル、大中都市の政府には、「労働教養管理委員会」を設置し、労働教養を科するかどうかの決定を下す。公安機関には、労働教養工作管理機構を設置し、労働教養を実施される。

 実務上では、公安機関が実際にすべての労働教養権限を持っています。

 四 労働教養の性質

 「関于労働教養的補充規定」、「労働教養試行弁法」のいずれにおいても、労働教養が被労働教養の者に実施する強制的教育の行政措置であると規定されています。

 1991年国務院新聞弁公室により公布された「中国人権状況」の白書には、労働教養は刑事罰ではなく、行政罰であると明確に記載されています。

 「行政処罰法」には、労働教養を明確に処罰の種類としては定められていませんが、その第8条7項には、行政処罰の種類に法律、行政法規により規定されるその他の行政処罰が含まれると定められています。

 しかし、前述した国務院行政法規及び公安部の規章だけを法令上の根拠としている労働教養ついて、多くの法律学者は、人身自由を奪う行政処罰として、中国の「憲法」、「立法法」、「行政処罰法」に違反すると主張しています。その理由は、以下の法律上の規定に違反しているということになっています。

 「憲法」第37条によれば、中華人民共和国の公民の自身自由を侵害できず、また、人民検察院の批准、決定または人民法院の決定、かつ公安局の執行を経ずに、逮捕することができない、とされています。

 「立法法」第8条第5項によれば、公民政治権利の剥奪、人身自由を制限する強制措置及び処罰につき、法律を制定しなければなりません。

 「行政処罰法」第9条によれば、人身自由への行政処罰は、法律のみがこれを設けることができます。

 五 労働教養、刑罰、治安管理処罰、行政処罰

 刑罰は、刑法により規定され、犯罪を処罰し、裁判所により下された強制処罰措置です。

 治安管理処罰は、基本的には、刑罰にならない違法行為であり、公安機関により下された強制処罰措置のことです。

 行政処罰は、行政機関による法律に基づく、行政管理秩序に違反する行為への行政処罰措置のことです。

 よって、治安管理処罰及び労働教養のいずれも行政処罰に属します。

 労働教養は、理論的には刑罰と治安管理処罰との間に位置するものですが、場合によって、労働教養の処罰程度は、刑期がやや短い刑罰を上回ることもあります。
 



 作者:周暘 潤明法律事務所弁護士(早稲田大学法学研究科 法学修士)
 


 作者:高嵩 潤明法律事務所パートナー弁護士(北京大学法学部卒業、元北京第2中級人民法院裁判官)

 「人民網日本語版」2010年9月30日

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