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                                                ――倉科和子さん

【第74回】

    中国で10年間続いている国際協力機構(JICA)の植林事業。先月、10周年を記念して河南省でセミナーが開かれた。JICAはこのほかにも四川大地震の被災地への支援や青年海外協力隊の活動など様々なODA(政府開発援助)を中国全土で展開している。しかし、そのことを知る中国人はあまりに少ない。こうした日本側の貢献をいかに一般の人たちに紹介していくか、JICAが取り組むODAや倉科さんご本人の中国とのつながりについて話を伺った。



   ---- JICAは10月に河南省で中国のマスコミ向けにプレスツアーを行ったそうですが。

    今年は円借款の植林事業が中国で開始されてから10周年だったんですね。この10年間13の省で円借款植林事業をやってきましたが、どうしたらより効率よく植林事業をやっていけるかを話し合ったり、うまくいっている事例やノウハウを紹介するセミナーを行いました。このセミナーにあわせて、中国のマスコミを対象としたプレスツアーを行ったのですが、このほかに「節水型社会モデル構築プロジェクト」の節水教育の活動を河南省鄭州の小学校で行い、取材してもらいました。

    ----節水教育の授業は日本でも同じ取り組みがあるそうですね。

    日本は環境教育が進んでいますね。おそらく中国でも水の問題について子供に教育していると思うんですが、先生が一方的にしゃべって子供はただ聞いているというやり方が多いんじゃないかな。日本のやり方は、できるだけ参加型にして子供が関心を持つように工夫していますね。今回は日本の専門家から指導を受けた中国の「節水リーダー」が授業を行ったのですが、紙芝居やビーチボールの地球儀をつかったり、1日に使う水の量を背負ってみたりという、体験型の授業でした。

    ----こうした節水教育は鄭州以外の地域でも実施されているんですか?

   このプロジェクトは北京を中心に、河南省の鄭州と山東省の淄博の2カ所をモデルサイトにして取り組んでいます。北京と2つのモデルサイトで活動を行い節水型社会のモデルを作るのがプロジェクトの範囲で、その後はその経験を元に、中国側で各地に広めてもらうことを考えています。

    ----植林事業、節水教育のほかに、河南省では写真展を開催する予定だったそうですが。

    日本大使館と河南省が主催する「河南ジャパンウィーク」という日本を紹介するイベントの中で、中国で30年間以上実施して来たODA(政府開発援助)を、歴史を追った写真展という形で紹介する予定だったんですが、これは中止になってしまいました。

写真展(湖南師範大学・中日友好の木を毎回作っています)

    ----倉科さんはこれまでJICAでどういったプロジェクトに関わってこられたんですか?

    JICAの職員がしている仕事は全体の調整が主で、実際プロジェクトに携わり技術指導などをしているのはその分野の専門家です。例えば私が担当する、四川地震の復興支援の1つ、耐震建築のプロジェクトでは、行政分野は国土交通省の方、耐震設計分野は民間の建設会社の方に来てもらって専門家チームをつくり、中国側の専門家チームと協力しプロジェクトの目標に向かって活動していくんですが、わたしたちはプロジェクト活動をサポートする立場で、中国側との調整や協議を行ったりしています。

    ----JICAというと青年海外協力隊が中国各地で活動していますね。

    中国では今64人のJICAボランティアが活動しています。現在派遣されているボランティアは日本語教師が全体の半分以上、それ以外には理学療法士、作業療法士などの医療分野が中心ですが、野球、幼稚園教諭などの分野もあります。ボランティアの皆さんは現地の方と同じ言葉を話し、ともに生活し、ともに働きながらその国の発展に協力しているのですが、それと同時に、もう1つ、相互理解の増進という大きな目的があります。ボランティアのみなさんが派遣されるところは、日本人が全くいないようなところもあります。彼等はそこで2年間、日本人の代表として中国の皆さんと共に働き、多くの人が日本への正しい理解と友好の気持ちを中国の人々の間に残していきます。先日ある1人のボランティアからこんな話がありました。「成績のよくない、授業もあまり真面目に聞いていない生徒からある日手紙をもらいました。その手紙には『先生、私は先生が大好きです。先生を知って日本人を知りました。今回のことで(尖閣諸島問題)帰国とかしないでくださいね。私たちの先生への信頼が、今回のお互いにとって不愉快なことでなくなることはありません。』と書かれていました。手紙を読んで、日本人としての日々の行いの重要さを改めて学びました。」。JICAボランティアの活動は草の根レベルの日中友好の絆を強くすることにも役立っているのです。






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