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【第82回】
文化交流使事業は知人などいない外国で行うものですから地元の大使館、領事館、国際交流基金などに多大にお世話になって活動をすすめます。ところが折悪しく昨年9月の私の活動開始時期とほぼ同時期におきた尖閣諸島の問題で大使館などの企画する大きな活動がすべてストップになってしまいました。そこで私は仕事をお手伝い頂いている中国人の学生さんたちの協力をもとに1件1件草の根運動のようにして自分自身で活動先をみつけねばならなかったのです。その結果、お陰さまで私個人の人脈が広がった事により実にさまざまなところと交流を図る事が出来ています。
日本の言語や文化に興味を持つ中国人の方は大勢いらっしゃいます。その方がたに向けて講座をさせて頂くのは勿論大事なお役目ですし有難い事と思いますが、私はやはり日本の舞踊家として芸能家として中国の舞踊、演劇その他芸術に携わっている方々と触れ合う事こそ意義ある活動ではないかと思います。日本の芸能は中国の芸能の影響があって出来たものが多く、それは日本では今もなお形を変え伝承されていますが本家本元の中国では途絶えてしまっているものが多いのです。日本の芸能にもう一度触れて頂く事で、中国の古来の芸能に思いをはせて頂く・・・そんな事が出来ればと思い、活動をしています。決して日本や日本の文化に興味など持っていなかった方がたが最後には引き込まれ日本舞踊を通してもう一度自国の芸能を考えて下さる瞬間に一番喜びを覚えます。
日本の文化や日本そのものに興味を持っている方は、こちらの講義や実演が例え多少うまくいかなくても旺盛な知識欲をもって実演を見て、また講義を聞いて下さるでしょう。ところが私たちが出向く場所には日本に何の興味も持っていない方がたが半ば無理やり集められている場合も少なくないのです。そういう方々を惹きつけ結果感動させる事が出来た時こそ本当にやりがいを感じますね!