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                                                                               ――谷地中歩夢さん

【第26回】

    希望小学校ツアーのほかにも、いくつか活動をなさっていると聞きました。

     ここ最近は、北京オリンピックや豚インフルエンザで農村ツアーが難しくなったこともあり、北京に近い児童福祉施設への訪問をいくつか行いました。その一つが、親が受刑者となって身寄りのなくなった子どもを無償で育てる「太陽村」です。この施設を建てたのは、元刑務官だった張淑琴さんという女性です。張さんは刑務所で働いていた時、受刑者たちがいちばん気にしているのは子供だということを知った。「養ってくれる人もいない子どもたちをどうにかしてあげたい」と思い、いろいろな人からの支援を受けてこの施設を建てたんですね。私たちは、北京郊外の順義区にあるこの施設を何度か訪問したわけですが、ボランティアの難しさを知る経験ともなりました。

     太陽村は、希望工程とかとは違って、他の人からの援助だけに頼ってできたところなんです。世界各国の企業の援助金で成り立っているものだから、私たちみたいなボランティアが訪ねたら、どんなに忙しくても断れないんですよ。太陽村の運営は、企業からの支援のほか、ナツメやトウモロコシを栽培して売ることで成り立っている。だから平日は、子どもたちは、農作や通学ですごく忙しい生活を送っている。土日で「やっと休みだな」と思っても、ボランティア団体が、多い時には一日に15団体も訪ねてくるんです。その結果、観光地のようになってしまって、私たちが行った時もたくさんの人が写真を撮っていました。子どもたちにとっては、ボランティアの人たちと遊ぶのが義務みたいになっている。

     施設の子どもたちにとっては、遊ぶのも仕事の一つになってしまっているんですね。

     私たちも子どもたちと交流したいと思って太陽村を訪れたわけですが、「今、ほかのボランティアの人たちが来ているから、君たちと遊ぶ子どもがいないんだよ」と言われ、「ボランティアの人たちの気持ちは嬉しいけれど、子どもたちは休みたいのに休むことができなくて大変なんだ」という実情を聞いたんです。「心に傷を持っている子供たちと交流して、少しでも元気になってくれたらいいな」と思って行ったんだけれども、それが向こうにしたら負担だったんだということがわかりました。

     太陽村には、政府からの補助はほとんどない状態なんです。だから本当は、モノやお金の方がただの交流よりも助かるんですよ。それでも支援を受けるためには交流を通じてピーアールをしなければいけない。太陽村には百人以上の児童がいて、職員も数十人いる。今は、その人たちに払う給料を減らしてなんとか運営している状態なんです。こうしたジレンマを知っていても、学生団体のピアスマイルにはお金がないし、スポンサーも足りないですから、お金を寄付するということはなかなかできない。この施設とのかかわり方はこれからの課題ですね。

    ピアスマイルとしての今後の構想を聞かせてください。

    農村ツアーのほかは、ミクシーのコミュニティーや雑誌などを使った広報活動を進めていきたいと思っています。ピアスマイルには現在、活動を支え てくれるスポンサーが4社あります。JS GROUPさん、北京トコトコさん、スタジオPaoPaoさんとJACさんの4社がぜひ寄付したいということでスポンサーとなってくださっているんですが、団体としてできることの幅をさらに広げるためには、これを増やしていく必要があります。またスタッフの募集もしなければなりません。短期の留学生が多ければ引き継ぎを頻繁にしなければならないし、長期的に北京に滞在する本科生をスタッフとして集めるためにも、 ピアスマイルの存在をもっと知ってもらえればと考えています。

    長期的には、ピアスマイルの寄付で希望小学校を作ろうという夢もあるんです。ただ、小学校を建てるには20万元(日本円で300万円程度)ほどのお金が必要なんですが、ピアスマイルの資金はまだ5千元程度しかない。ひとり180元のツアー参加費の残りをこの資金にまわしているんですが、赤字になってしまうツアーもある。当分は民間交流を重点に進めながら、希望小学校の建設は今後の目標として考えていくつもりです。

    大学4年生になった谷地中さんの今後の夢をお聞かせください。

     中国でのこの活動を通じて、国際協力の仕事をしたいと思うようになりました。子どもが教育を受けられるということは、その子の未来がいっきに広がるということですよね。何も知らないことで起こってしまう犯罪もあるし、避妊などの知識の普及だってとても大切です。専門家を派遣したり、学校の運営を手伝ったり、子どもの教育に貢献できる仕事をしていきたいですね。

     ピアスマイルの農村ツアーには3年ほど前に私も参加したことがある。その時の体験は今でもはっきりと胸のなかに刻まれているし、ニュースなどを通じて農村について考えるごとに思い起こされるのは、その時に目にした農村の風景や人々の表情だ。谷地中さん自身がその活動を通じて国際協力という道を見出したように、ピアスマイルの学生スタッフらが企画する農村ツアーは、参加者ひとりひとりの胸に農村への関心という種を植え、豊かな実を結んでいる。ピアスマイルの活動や農村ツアーに興味のある方は、谷地中さんのメールアドレス([email protected])もしくはミクシーのコミュニティー(pia-smile)まで。(人民網日本語版記者 増田)

プチアンケート
・あなたの出身地(都道府県名)は?
東京都
・中国滞在歴
3年半
・一番好きな中華料理は?
粘玉米(もちもちしたトウモロコシ)
・中国で一番好きな都市は?
暮らしやすさでは上海、人の表情では成都
・中国にあって日本にないものを1つ挙げてください。
日本は神経質なところがありますが、中国はそれに比べれば自由だと思います。
・中国を漢字一文字で表すと?

 
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japanese[网友]    谷地中さんのことに感動と感激しています。最近はちょっと自分が何を目指せばいいのか分らなくなって呆然としていますが。この文書を見たら思い出した、そう、私も田舎の子供達に何かしてあげたい気持ちで一杯でしたじゃない。そうであれば、谷地中さんみたいに動き始めようと思うようになりました。加油。
japanese[网友]    私は日本で留学している学生です、谷地中さんが代表を務めていらっしゃるプロジェクトを読んで、とっても 感動されました。中国はアスマイルの皆さんがいらしゃるからこそ、もっとも みんなに知られると思います。特別的に学生団体「ピアあスマイル(pia-smile)」の皆様にどうもありがとう といいます。これから私ももっと頑張っていきたいとおもいます。こちらで皆さんに応援いたします。
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