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                                                                               ――太田裕さん

【第29回】

     ブログが人気になって本を出版したという話はよく聞くが、今回はブログがきっかけで中国で起業したという太田さんをインタビュー。別に起業したいと思って中国に来たわけではないというから、これもビジネスチャンスの宝庫といわれる中国ならではだろうか?日本国内にいる日本人に中国で働くチャンスを届けたいとの思いで始まった求人情報サイト「カモメ中国転職+アジア」。立ち上げから五年、起業のいきさつや求人に応募する際の日本人と中国人の違いなどについて伺った。


    中国に来たきっかけは?

     ある日、刺激のない日々をもてあましてか、東京都内で引越ししようと思い、それなら思い切ってマンションを買うことにしました。そしてモデルルームで見た1件目のマンションが気に入り、契約もあとはサインをするだけというとき、上海に旅行した時の壮絶な印象とそのとき自分自身に感じたことが脳裏で天秤にかかったんです。どうせ会社に行くことしかすることがなくて、たまたま貯まっていた貯金。ぼくにはマンションを買う頭金にしか使い道がないのか?と思いました。正直なところ、現状にも満足していました。仕事や給料にも、自分の身の丈以上の環境。あーきっと、このまま現状の流れにお世話になれば、それなりの幸せだろうと思っていましたが、心の天秤は、違うほうに偏っていき、マンションを買うための頭金でとりあえず1年間、中国で暮らしてみることにしました。

    中国に来てから始めたブログが人気になり、起業されたということですが。

     人気というほどのアクセスではありませんでしたが、初めは、親しい人たちに自分の中国生活をWEBで伝えたいと思ってブログを開始しました(ブログ:上海カモメ http://kamome.nu)。当初は北京に住んでいたので、北京ダックを文字って北京カモメというサイト名でしたが、上海に引っ越したため上海カモメになってしまいました。

    2003年当時は、ブログという言葉を一般の人が知り始めたばかりの頃で、中国の生活を紹介するサイトも少なかったこともあり、いろいろな方に見てもらえるようになりました。ある時、日本でブログを見ている方に中国で発行している日本語フリーペーパーに載っている日本人向けの求人情報をメールで送って欲しいといわれました。何度か送っているうちに、日本から異国の中国で働くのに数行の求人情報では、どんな会社なのか?どんな経営者が運営しているのか?どんな仕事なのか?わからないなと思い、趣味で求人情報を配信する「カモメ中国転職」を始めました。

    そして1年ほど運営したある日、上海の老舗人材会社から広告を出したいと連絡が。しかも1年契約でお願い、といわれてお受けしたところそのライバル企業からもお問合わせがどんどん来るようになり本格的に中国法人化しました(それまでは香港法人として運営)。起業しようと思って中国に来たわけではないですし、自分は起業家タイプではないと思っているので、これも中国パワー、ビジネスチャンスの多さだと思いました。

    「カモメ中国転職+アジア」が今の規模になるまでには紆余曲折があったかと思いますが、今振り返ってみて一番大変だったことは?

    2004年12月にWEBサイトを開始しましたが、最初の3年は金銭的にはきつかったです。このまま行けば、ぼくは何も形にできず、ただ時間だけ無駄に過ごして、そして貯金も使い果たして帰ることになるのでは、ととても怖かったし、そんな自分(あきらめて帰ろうとしてる、くじけている自分)が嫌でした。こうなったら、お金を使い果たすまで、自分に挑戦してやろうと思いました。そしてなにより、海外で働く情報を配信している自分が、くじけたら本末転倒。ぼくは、みんなの中で一番ハッピーでなければならないと自分に言い聞かせていました。

    今では、エンジェル(投資家)や昔の上司から1160万円の出資を受け、日本にも法人を設立しました。出資者の1人は、ぼくが出版社でアルバイトしていたときの上司、もう一人は、前の会社の上司です。昔から自分の働きぶりを知っている人たちやエンジェルから出資を受けられ、とても光栄です。


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japanese[网友]    カモメさん、初めましてカモメさんが起業される前からずっと見ていましたよ。着々と成功されている姿に励まされています。ありがとう。東京より
japanese[网友]    太田さん、一生幸せに。
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