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                                                                ――京劇俳優・石山雄太さん

【第34回】

     中国では若者の伝統文化離れが問題となり、昨年から一部の小中学校の授業に京劇が取り入れられるようになった。そんな中、京劇の魅力に魅せられ、外国人初の京劇俳優としてプロの舞台で活躍する一人の日本人の若者がいる。板についた北京なまりの中国語をあやつる石山雄太さん(中国国家京劇院に所属)がその人だ。石山さんへのインタビューの前に、10月に日本全国で上演される記念公演のリハーサルをのぞかせてもらうことができた。


     先ほど、日本公演に向けた練習を拝見しましたが、すばらしい舞台ですね。石山さんは何役ですか。

     鼓上蚤・時遷(こじょうそう・じせん)という梁山泊の108人の英雄豪傑の内の一人、盗みと忍びの達人です。梁山泊では、いわばスパイとして情報工作や撹乱工作などを担当します。この劇中では豪傑たちに物売りや旅芸人などに変装させたりして、陰謀にはまり処刑されようとしている英雄・盧俊義(ろしゅんぎ)を救い出すために刑場荒らしを画策し、その潜入工作を担当する役ですね。ユーモラスなところもある人物です。

    どういうふうに役づくりを研究されたんですか。

     まさか実際に泥棒の真似をするわけにはいかないですからね。時遷という人物は二面性のある人物で、梁山泊に入る前は手癖の悪いこそ泥なんですが、梁山泊に入ってからは重要な任務を自分から担うようになります。「替天行道(天に替わって道を行う)」という梁山泊の合言葉に基づいて活動していく中で、この人物は成長していくんですね。そういうことを考えながら人物像をつくっています。

     ここ数年は日本での舞台や講演会などの場でも活動していらっしゃるそうですが、京劇を初めて観る日本の観客からはどのような反響がありますか。

    京劇ってこんなにおもしろいものかっていう反響があります。伝統演劇ということで難しいイメージをもたれやすいんですが、実際にはそうとは限りません。日本でいえば歌舞伎や狂言、能なんかに共通する部分もあったりして伝統芸能としての確固としたものはありますが、いろいろな要素を取り入れたりとか、変化したりとか、一エンターテーメントとしてはすごく貪欲なものだと思います。

     日本の観客は、京劇に対する理解が深まってきたのか、もともとそういう文化的素養があるのか「言葉は何を言っているのかわからないけど、感情というのは伝わる」という声をいただきます。芸術というのは国境がない気がしますね。

    日本人と中国人で舞台に対する反応は違いますか。

    日本の観客も暖かく迎えてくれますね。中国が厳しいというのではなく、中国では拍手する習慣が少ないのか、拍手するところが違うのか・・・、反応が違うところもおもしろいですよね。舞台に出た時の雰囲気から違いますからね。でも、どんなところでも舞台に出るということでは同じですし、俳優としてはその場にいる観客を楽しませるというのは同じことですから。もちろん大舞台だけではなく、茶館や講演会、イベントなんかでもやったりしますしね。


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