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【第37回】

     天安門に初めて来たのは17歳の修学旅行だった。「その時には、15年後にまさか天安門をテーマにした映画に出るとは思いもよらなかった」としみじみ語る大塚さん。

     今年の10月1日、中国は建国60周年を迎える。毛沢東が建国を宣言する1ヶ月ほど前、天安門はボロボロで見る影もなかったという。その天安門をたった28日間で修復・装飾する使命を帯びた人々。その中に当時、日本人がいた。その日本人画家役を、建国60周年を記念して制作された映画「天安門」で演じた大塚匡将さん。大塚さんに撮影の様子などを聞いた。


     映画「天安門」(葉大鷹監督)のストーリーを少し紹介してもらえますか。

     この映画は、開国記念日があと28日後に迫ったときに、人民解放軍の劇団美術部隊に突然、天安門を装飾する命令が下るところから始まります。部隊内で意見を出し合い、一旦はかなり電飾を使った派手なプランに決まるのですが、一般市民や大学教授などいろいろな人の意見を聞き入れて、天安門をシンプルかつ威厳あふれる姿に装飾していく過程が描かれています。特に、現在も飾ってある大灯籠を如何に造ったか、そして最後、毛沢東本人の映像をデジタル合成で取り込んだシーンが大きな見所です。

     大塚さんは日本人画家の役を演じられたそうですが、どんな役どころですか。


     戦争に反対した為政治犯として日本を追われ、中国に渡って在華日人反戦同盟の一員となり、人民解放軍内で日本軍に戦争をやめるべきだと訴える一方で、画家という元々の専門を活かし、部隊内慰問劇団で美術も担当していたという人物設定です。資料を見て知ったんですが、当時、戦争反対を唱える日本人が解放軍に何人もいたようです。

    僕の演じる上野は、日本に妻子を残して来ていて、戦後の混乱で消息不明になってしまった彼女たちとの再会を夢見ています。天安門装飾工事の大詰め、9月の終わりに妻子が見つかったという知らせが届き、すぐに帰れるように中国側が手配してくれるのですが、天安門の装飾という大仕事を最後まで全うするために残ります。そして奇しくも開国記念日の朝、船で日本へ帰りました。彼は開国記念式典の様子を、日本への船の中ラジオで聞き涙します。このシーンは実際に一番最後に撮影され、4ヶ月にわたる撮影の思い出等が甦り、本気で泣いてしまいました(笑)。

     大塚さんが演じたのは実在の人物ですか。役作りはどういう風にされたんですか。

     当時、美術部隊には2人の日本人の方が実在し、実際に1949年10月1日の建国記念日に向けた天安門の装飾に携わったそうです。僕が演じた役はその2人の方がモデルとなっています。

    役作りに関しては、解放軍の中の日本人だということで日本から「僕は八路軍の少年兵だった」という本や絵画に関する本などを取り寄せて研究し、撮影のない時にはずっと絵を書いていました。

     実在の人物が存在したとはいえ、建国60周年という中国の記念映画にどうして日本人が起用されたのでしょうか。

    そこに意気込みを感じるんですね。監督がすごく僕を重要視してくれているのが伝わってきました。映画の中で、英雄記念碑の起工式に毛沢東が来て、みんながどこだどこだって探すシーンがあるんですが、僕が「見えた!毛主席は人々の中央にいるぞ!」という台詞を言ったり、お風呂屋さんに行ったときに「国の新しい名前は何になるんだ」と聞かれて、「中華人民共和国」と答える重要な台詞を僕が言ったんです。この台詞を僕が言っていいの?!って驚きましたね。


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