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【第45回】
「住民の生活向上をともなう砂漠緑化事業」を目指しています。 緑化事業は何十年も継続しなければならない事業です。長期にわたり資金を確保するために「援助や 助成に頼らず、経済原則と地元の意識に根ざした対等なパートナーシップを築いた上での、砂漠緑化 活動を行う」ということを考えました。この事業は決して慈善事業ではありません。あくまで経済原 則に則って進めていきたいと思います。この事業には「与える者」「与えられる者」という一方的な 立場は存在しません。すべての人が平等の立場でこの事業に参加していくことで事業の持続性や発展 性が得られると思います。
具体的には2004年10月より内モンゴルの天然塩・重曹・麦飯石等の 販売を個人事業として開始。2006年からは有限会社「バンベン」を立ち上げ、内モンゴル原産の 漢方薬草を調合した農業用の植物保護液の輸入・販売も行っています。内モンゴルの商品で自分も収 入を得、その一部を内モンゴルに砂漠緑化という形でお返しする。ビジネスが拡大したら緑化も拡大 する。その緑化した土地を有効利用して節水型の新しい農業など新たな事業につなげていく、という ようなビジネスと生態系回復の持続的循環を作っていきたいと思っています。
まずは、2015年までにスージー村でそのようなモデルを完成させ 、その後、砂漠化が進んでいる村々にそのノウハウを普及していきたいと思います。
これまでで約600ヘクタールの緑化が完了しました。そこで生えて くる草や灌木は家畜の飼料として使われ、地元住民たちの生活の向上に役に立っています。
それとは別に、2年前から「バンベン牧場」というものを地元住民と共 同で始めました。これはこれまでより品質のいいカシミヤやウールが採れる山羊や羊を人工授精で増 やし、地元に普及させるというものです。ここでの砂漠化の最大の原因は山羊や羊を増やしすぎたこ とで、生態系回復には家畜を減らすことも必要です。住民の収入を減らさないで家畜を適正規模まで 減すために1頭当たりから採れるカシミヤやウールの価格を何倍にも増やせるように取り組んでいます 。
毎年、夏ウランダワ砂漠の一番高い砂丘に登って周囲を見渡し、 緑が増えているのを実感することです。
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| 植林前 |
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| 植林後 |
現在、 「砂漠緑化」という付加価値をつけた商品を販売していま す。つまり内モンゴルの特産品を買うことによって、砂漠緑化に貢献するという付加価値を加えるこ とにより、購入した方にプラスアルファーの満足感を持っていただくという販売方法です。例えば、 1個900円のモノに苗木5本分の付加価値をつけ、1000円で販売します。買う人にとっては1 00円多く払わなければなりませんが、砂漠に5本木を植えることになるので、緑化に貢献したとい う充実感が生まれます。しかし実際にはこの不況の中、なかなか緑化という付加価値を価格に乗せる ことはできません。今は900円のもの900円で売って緑化の資金も元々ある利益から捻出してい るので、会社経営としては厳しいものとなっています。この問題を解決するにはパッケージの変更や 広報の充実など様々な改善を行わなければなりません。
ただ、一方で人々の環境に対する意識も変わってきています。福岡 では「バンベン」というと砂漠化をビジネスで解決する「社会起業家」として認知されはじめていて 、徐々にですが応援してくれる、企業・個人が増えてきています。自分の志とそれに基づく行動が感 動を呼び、共感を呼び、ビジネスや緑化の面での協力関係が生まれています。今後は中国在住の日本 の方々や中国の方々も巻き込んでいきたいと思っています。

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