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【第46回】
中国は竹、韓国は芙蓉、日本は桜とそれぞれの国を代表する花を描きました。
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中韓の画家と一緒に撮った写真 |
最初、4日の期限であの大きさ(230cm×118cm)を仕上げるということだったので本当に大変でした。最終的には2週間くらいかかりましたが。
時間がないので寮の活動室を貸し切って徹夜して描いていたんです。そうすると同じ寮に住んでいるアルジェリアの人たちが突然入ってきてお祈りしだして、急にご飯を食べ出したんです。彼らは断食中だったんですね。私はご飯を食べる時間もないくらい忙しくて、その仲間に入れてもらいました。アルジェリア人が作ってくれたご飯が身にしみておいしいかった・・・。
「竹と桜と芙蓉じゃ季節が合ってない」って(笑)。中国画や日本の屏風絵なんかには四季花鳥図という1枚の画面に四季の題材を入れるのって当然のように行われてきたんですけどね。
前の日に大使館公邸に呼ばれて、公使に直接紹介していただいたんです。その時に、「水墨画家には見えないですね」と言われて、「実はこう見えても10年も描いているんです。明日展示会で説明させていただきます」と挨拶しました。
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大使公邸で |
その翌日、人民大会堂の入り口に立って一行を待っていると、大臣を引き連れて入ってきた首相が私を見て「昨日はどうも」と言われたので、覚えていらしたんだと。ちょっとインパクトがあったのかもしれないですね。
展示を説明して回って、最後に合作を見せたんですが、作品に書いてある私の名前のところを指でなぞって「安藤美香さんね」と言われて、ちょっと嬉しかったですね。いつか有名になって「あの時の・・・」と言ってもらえるといいですね。
まだ若者ですし、女性が描く墨絵なのでどちらかというと、どんよりと重い山水画という感じではなくて、花鳥画を専門としているのでやさしい色使いの女性らしさを出しつつ、力強さを残しつつというのを心がけています。
今、江戸前寿司に飾ってある作品は、もともと六本木の新国立美術館に展示していた作品です。ずっと日本に置いてあったんですが、「ここに合う絵はない?」と依頼があった時に、その場所をみたら「あの絵が合う」と思ってしまったんですよ。実はお譲りしたくなかったんですが・・・。作家としてやっていくなら人様に見ていただいてなんぼだろうと思い、手放しました。今はできるだけ自分の作品をいろんな人に見てもらおうと思って、働きかけています。来年は個展も開きたいと思っています。
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江戸前寿司に飾ってある作品 |