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                                                  ――クラリネット奏者・山本明日香さん

【第50回】

     天安門広場の西側にそびえ立つ国家大劇場。ここで12月4日、日本人のクラリネット奏者が中国国家交響楽団と共演した。そのクラリネット奏者というのは、現在ニューヨークのジュリアード音楽院で学ぶ山本明日香さん。東京芸術大学への受験失敗から立ち直れない日々、米国が誇るクラリネット奏者、チャールズ・ナイディックと出会い、そして思いがけずニューヨークへ・・・。ドラマチックな人生を歩んできた若干25歳の山本さんに師匠との出会いや今回の中国国家交響楽団との共演に至るまでの経緯について聞いた。



    山本さんはもともと音楽家の家庭に生まれ育ったんですか?

    いいえ、私の両親は音楽家ではありませんが、母が音楽を少しかじっていて、ピアノと声楽をやっていました。幼いときからいつも音楽がある環境で育ち、よく母がピアノを弾いて私がまねしたりしていました。3歳からピアノを習い始め、小学校4年生の時にブラスバンドに入ってクラリネットに初めて出会いました。それからクラブでずっと続けて、本格的に音楽の道に進もうと決意したのが中学2年の時です。ピアノも続けていましたが、やっぱりクラリネットが好きで、将来この道で進みたいなと思っていました。

 

    何か「音楽の道に進みたい」と決意させるようなきっかけがあったんですか?

    最初はお医者さんとか先生とかに憧れていましたが、結局音楽が自分にとって一番大事なもので、音楽だったら自信を持って自分を表現できると思って。あと社会に貢献したいという気持ちもあって、自分の好きな音楽を通して人に元気とか勇気とかを与えたいなという気持ちが芽生えてきたのが、きっかけといえばきっかけです。それ以外の分野は考えられなくて、やっぱり自分には音楽が一番合っているんじゃないかなと。

    それまでにいい成績をあげてきたとか?

    クラブでは6年生の時に創部以来、初めて日本一になり、その時に部長をさせてもらっていました。中学でも個人的にコンクールに出たり・・・。本当に楽器を吹いているのが大好きで、これだったらどんな辛いことでも乗り越えていけそうかな、と思って。まだ中学2年だったので現実が見えていなかったというのもありますが。あまりにも大きな夢を一杯描いて、両親にもたくさん迷惑をかけましたが、私の両親は反対することなく、「自分で決めたら最後まで頑張りなさい」と応援してくれました。それがなかったら多分どんな分野に進んでも結局あきらめていたのではと思います。

    その後、東京芸術大学を受験されたと聞きましたが。

    私の家はごくごく普通の家庭ですが、音大というと本当にお金がかかるので、両親から「音大目指していいけど国立だけにして」って言われて、東京芸術大学一本にしぼって受験勉強に入りました。個人レッスンも受けていて月に最低2回は大阪から東京に新幹線でレッスンに通っていました。受験では、クラリネットの1次、2次と音楽の3次試験があり、それには全部パスできたのですが、最後の面接で落ちちゃったんです。もちろん一校しか受けていないので、浪人決定。

    何人くらい合格できるんですか?

    受けたのが48人で、受かったのが4人。クラリネットの試験をパスできた段階で「よっしゃー!」って感じで、まさか面接で落ちるなんて思いもよらなくて、「自分にはもう音楽は無理なんだ」とかなり落ち込みました。結果が3月13日に出て3日後には卒業式だったので、どんな顔をして卒業式に行こうか悩みました。

    でも卒業式の時に創立者がスピーチで「十年一剣を磨く」という言葉をおっしゃって、そのときに「はっ」と気付きました。どんなに大変なことでも最低十年はかかるものだ、と。「今あきらめたらもったいない、頑張ってみよう!」って思いました。すぐに切り替えられたわけではありませんが、とりあえず「まだ音楽は続けてみよう。またもう一年東芸受けてみよう」と思っていました。それでも4月にみんな入学式があって新しいスタートを切ったのに、私はまだ立ち止まっているし、どうしようという暗い毎日を送っていました。

日本で行ったJazzのコンサートで



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网友    私もクラリネットを吹いています。今、高校をどういう道に進もうか考えているのですが、山本さんのように音楽の道を選ぶのもいいかもしれません。もっと考えてみます。
网友    山本明日香さんはラッキーガールですね。すてきなお母さまとすてきな師に恵まれたと言って良いでしょうね。そして物怖じしない積極性が山本さんを飛躍させてきたのではないでしょうか。しかし、さらに考えてみると、大阪人という風土性もあるのかもしれませんね。デュオを組んでいるブルガリア人との演奏をいつか東京で聞きたいものです。楽しいインタビューでした。担当記者と山本さんに感謝します。ありがとうございました。
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